A.1話目からかなりオープンに描かれている。その快楽表現は、かなり独特!
クッキングパパの世界では、意外にも性生活のことはオープン。
第1話目から荒岩の妻・虹子の夜の定番セリフ「じゃあそろそろ寝ましょうか」を皮切りに夜のひとときが始まる瞬間が描かれている。
オープンに描かれているのは荒岩家の「夜の性活」だけではない。
まずは、荒岩が一番気にかけている部下である田中と夢子の場合。
読者の大半が「もうじれったい!どうせくっつくんでしょ?」と焦れるくらいたっぷり時間をかけて徐々によい仲になり、いよいよ田中が夢子に思いを伝えた日のこと。やっとふたりが結ばれる、そのときの様子をご覧いただきたい。
○36巻 cook.355 P40~41かなりすごい映像©うえやまとち/講談社
田中にとってはまるでドラッグ的ななにかがキマッているかのような、ものすごい体験だったのだろう。波、花などの「いまどきそのどストレートなメタファーはやめて!」と、ちょっと恥ずかしくなるようなモチーフと並んで、宇宙を泳ぐ田中のアホ面が印象的。童貞の初体験でもあるまいに、ちょっとやりすぎなくらいの快楽表現だ。
同じく荒岩の部下同士で結婚した種ヶ島と工藤の場合も、彼らの初性活がしっかり描かれている。 東京へ転勤した工藤と博多に残った種ヶ島は順調に遠距離恋愛を続けていた。工藤が花火大会のタイミングに合わせて博多に帰省したときに、種ヶ島のマンションに初めてのお泊まり。そしてそのときふたりは結ばれる。
○94巻 cook.901 P16 満天の星空……©うえやまとち/講談社
○94巻 cook.901 P17 からの、朝チュン©うえやまとち/講談社
余談だけれど、この朝チュンシーンで工藤がゴリゴリとなにか作っているのは、普通の落花生をすり鉢ですりつぶして作るピーナツバター。初めて一夜をともにした翌朝、こんな手間のかかるものを作る男性を私は工藤のほかに知らない。
田中や工藤ほど詳しく描かれていないけれど、同じく荒岩の部下・梅田にも、妻のユミちゃんと夫婦ケンカをしたときに、ユミちゃんの好きなケーキを作って仲直りしたエピソードの結びとして、一戦交える様子が描かれている。
○29巻 cook.286 P86 いわゆる仲直りHというやつです©うえやまとち/講談社
クッキングパパの「性活」に必要不可欠なイメージ、 それは「宇宙」
彼らの性活を見ていると、共通点がある。
「女性からの誘いが多い」というのもそのひとつ。
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