ランキングで振り返るSF出版70年〈後篇〉

創立70周年を迎えた早川書房。SFを出版してきたその歴史のなかで、最良の年ははたしていつだったのか――? 評論家の高橋良平氏がSFマガジン編集長・塩澤をお相手に、カウントダウン形式で語ります! 後篇の今回は、3位~1位までをご紹介します。(2016年4月号再録)

マイクを持つ高橋氏(左)と編集長・塩澤

【第3位 1970年】

塩澤 ついにベスト3、第3位は1970年です。これはもう、あれですよね。

高橋 はい、ハヤカワSF文庫誕生です。福島正実さんの続けていたSF文学路線に対して森優さんが大衆路線をとって、周囲の反対を押し切って出したら大成功と。

記念すべきSF文庫1番はハミルトン『さすらいのスターウルフ』。文庫SFの歴史を知りたいかたはこちら

 とにかく森さんが有無を言わさず面白いSFを選んでくるわけです。それに団塊の世代よりも十歳ぐらい下の、60年以降に生まれた読者がワーッととびついた。文庫という手に取りやすい形で、SFが大きく広まっていった時代でした。

塩澤 SF文庫は2015年でついに二千点を迎えたわけですが、その変遷はどういうふうにご覧になられていますか?

高橋 行き当りばったりですよね(笑)。《ペリー・ローダン》だって、まさか五百巻続くとは森さんだって夢にも思わなかったんじゃないかな。

塩澤 しかも、今は月に二冊出ています。

ちなみに最新刊は520巻『兄弟団の声』

高橋 最初のころはとにかく、伊藤典夫、浅倉久志、野田昌宏の三氏に勧められた本に森さんが自分で読んだものを加える形でラインナップを決めていったんですよね。それまでも東京創元社がSF文庫を出していましたけど、どちらかというとシリーズもの中心の出版でしたから、いろんな作家を次々に出す文庫は他になかった。出せるものが膨大にあったから、別に方策も固める必要がなかったのかもしれません。たとえば小松さんの『エスパイ』がさらりと入るんだけど、日本人作家を入れることをなんの抵抗もなくやってしまう、フットワークのよさというか、良い意味の適当さというのがあったのだと思います。

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コメント

Hayakawashobo つづきまして、cakes版SFマガジンの更新お報せです。 SFの最良の年はいつか? カウントダウン形式で紹介! 4年以上前 replyretweetfavorite

kunjisoma 思いっきり個人的感想になるのは仕方ないか。 4年以上前 replyretweetfavorite

maniamariera 本日も更新ですー。 SFの最良の年はいつか? カウントダウン形式で紹介! 4年以上前 replyretweetfavorite