道徳の時間

橘玲 vol.4 インターネットは、人の人間性を高めないんですか?

価値観の多様化を後押しするインターネットは、人々の行動をも大きく変化させています。広い範囲から注目が集めやすくなった現代においては、客観的な評価を得るために人は道徳的な行動をとるようになるのではないかと話す橘さんに、岡田さんは、その真逆だと反論します。

インターネットによって人間の生存戦略はどう変わる?

橘玲(以下、橘)  インターネットによる大きな変化は、人間一人ひとりの評判が可視化できるようになったことと、その評判が広い範囲で流通するようになったことだと思います。それが私たちの人生にどういうインパクトを与えるかに興味があるんですが。

岡田斗司夫(以下、岡田) ああ、僕が「評価経済社会」という言葉を使って話してきたテーマですね。

 特に気になっているのは、評判マーケットの拡大が及ぼす影響です。極論をいえば、人間の幸福って、みんなから注目されることですよね。かつてはそれがより多くの異性を獲得する最適戦略だったわけですが、今では評判の獲得自体が自己目的化している。それで、誰もが目立つためのいろいろな戦略を駆使して日々生きている。

岡田 うんうん。

 その戦略は、これまでは地域社会(地元)とか会社で目立つためのものだった。でも、いまはインターネットの登場で、誰もがリアルなコミュニティの制約を度外視して評判を獲得できる機会が得られたわけですよね。だったら、やはりより大きな範囲で評判を手に入れようとするだろうし、それに応じて生き方の戦略も変化していくと思うのですが、それについての岡田さんはどうお考えですか。

岡田 うーん、僕は、より大きい範囲での評判が優先される、という前提が逆なのではないかと思います。

 逆、というと?

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道徳の時間

岡田斗司夫

評価経済など新しい資本主義が加速しはじめた21世紀。 そんな新時代の「道徳」とは、一体どんなものでしょうか。 未来社会をサバイブする岡田斗司夫が、 ゲストとともに様々な事例を引用しながら、 現代の「道徳」について考えていきます。 (月...もっと読む

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tashirotakahiro 岡田斗司夫| 「いま、この仕事が嫌だから」で仕事を辞めていいし、「もう愛情が感じられない」という理由で離婚する。世間でどう見られるかは一切無視して、「いま・ここ」の感情に忠実になることが喜びであり、自己実現になるんです。 約5年前 replyretweetfavorite

ibiru インターネットは21世紀の共産主義か? いや、課金部分は読んでないのですが ⇒ https://t.co/K2O3rKUIPZ |岡田斗司夫|道徳の時間|cakes(ケイクス) 約5年前 replyretweetfavorite