「純潔」や「純愛」など、ぴったりな花言葉を持つスズランは、「ラン」と名がついていますが、ユリの仲間です。6枚の花被がくっついた鐘のような形を鈴に見立てて、名がつきました。「花被」とは、がくと花冠を合わせたもの。ユリやチューリップの仲間は、がくと花冠がはっきり区別できないのです。
花屋さんで見かけたり、庭に植えられたりしているスズランは、ヨーロッパからもたらされたドイツスズランという種類です。ヨーロッパでは春のシンボルとされ、「聖母マリアの花」として大事にされてきました。幸せをもたらす花とも信じられ、フランスには「ミュゲの日」という行事があります。ミュゲは、フランス語でスズランのこと。5月1日に、家族や友だちなど大切な人にスズランの花を贈って、相手の幸せを願うのです。この日が近づくと、いたるところでスズランの小さな花束が売られ、町にはよい香りが漂うそうです。
スズランの花は、可憐な姿にぴったりの、よい香りがします。小さな体に似合わず強い芳香を放つので、すぐにそれとわかるでしょう。この香りをイメージした香水も数多くあり、合成香料を調合することで、スズランの香りを再現しています。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。