春夏秋冬☆雑談のネタ帳

寒がり男子に「春の服」

ちょっと気が利かない若手社員「男子くん」の部署に、一風変わった先輩が異動してきました。「僕は暦とともに生きている」というこの先輩、毎日のなにげない会話にも季節感があふれています。それもそのはず、先輩のネタ帳は「俳句歳時記」。最強の雑談データベースです。男子くん、今日は通勤途中で、「俳句先輩」と出会いました。そして今日も会話は季節の話に・・・。

男子くん 朝めっちゃ寒いのに、先輩、薄着っすね~

俳句先輩 寒い寒いといって着込んでいると、体型が丸くなり、動作や頭の回転も鈍くなりますよ。コートを着て、マフラー手袋、耳当てまでして、丸々と着ぶくれ・・・なんですか君は。全身冬の季語じゃないか!もう立春はとうに過ぎているというのに

男子くん 僕、沖縄出身だから、寒がりなんですよ

沖縄出身とは知らなったよ、男子くん。しかし、暦のうえではもう春が来ているのですよ。

男子くん そもそも立春って、いつでしたっけ?

俳句先輩 二月四日あたりですね

立春は、陰暦(旧暦)で一年を二十四に分けた季節上の区分、二十四節気の第一番目に当たります。前日が節分(二月三日あたり)で、冬から春へ季節が移り変わる分岐点。厳しい寒さの中にも、木々の芽吹きや鳥のさえずりがあり、新しい季節の訪れを知らせてくれます。

暖かくなり、日差しも明るさを増すと、「そろそろ冬服にも飽きてきた」「重い服を脱ぎ捨てて身軽になりたい」という気分になるものです。ショーウィンドーにパステルカラーの春の服が目立ち始め、見ているだけで心が弾みます。「春らしい色ですね」「今日は春の装いだね」といったやりとりが、日常でもごく自然に行われ始める頃です。だから、春の服は春の季語なのです。春服しゅんぷく春装しゅんそうともいわれます。

俳句先輩 見てごらん。みんな色彩豊かで明るい春の服を着始めている。全身真っ黒くろすけなのは……

男子くん 僕くらいですね。先輩、薄ピンクのコート、お似合いです。でも本当は寒いんでしょ、やせ我慢してるんでしょ

俳句先輩 心配ご無用 

男子くん またまた

俳句先輩 僕は暦とともに生きていますから

男子くん (なんだこの人、ウケる~~!!)

==つづく==

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ねこのほそみち ―春夏秋冬にゃー

--- - "堀本 裕樹" - "ねこまき(ミューズワーク)"
さくら舎
2016-04-06

この連載について

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春夏秋冬☆雑談のネタ帳

堀本裕樹 /石川ともこ

ちょっと気が利かない若手社員「男子くん」の部署に、一風変わった先輩が異動してきました。「僕は暦とともに生きている」というこの先輩、毎日のなにげない会話にも季節感に溢れています。そのネタ帳は……なんと俳句の「歳時記」!天気、服装、年中行...もっと読む

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