「作業員を集めるため一時は山谷地区からほとんど人がいなくなったほど。特殊な技術を持つ鉄筋工は人数が少なく、全国からかき集めないと仕事にならない」
あるゼネコン幹部は、東日本大震災以降、人手不足に頭を悩ませている。復旧や復興に関する作業は山のようにあるものの、作業員が足りないため、仕事を取りたくても入札にも参加できないというのだ。
おのずとこうした作業員たちの給料は急上昇。「公共事業が減少し続ける中で震災特需は干天の慈雨なのに、人件費の高騰でほとんどもうけは消えてしまう」(ゼネコン幹部)というほどだ。
民間企業に勤めるサラリーマンは、リーマンショック以降、欧州債務危機やタイの大洪水に見舞われたこともあって、なかなか給料が上がらない。しかも、年収200万円以下の割合は約23%を占め、400万円以下で見れば、その割合はなんと約59%にも上る厳しい事態となっている。
こうした状況は、他のさまざまな職種も同様で、この5年間で給料が上がっている仕事は多くない。
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