自己検証、自己嫌悪、自己否定の3つがなければ、人間の成長は止まる。

見城さんは自身の一番のセールスポイントを問われたら「自己嫌悪」と答えるそうです。かつて周囲からは、やり手の編集者との呼び声が高かったときも、駆け出しの頃の熱狂を失って駄目になった自分にイラついていました。果たして自己嫌悪を突き詰めた先には何があるのでしょうか。
「たった一人の熱狂」の文庫化を記念して、文庫書き下ろしのうち一編をcakesに特別掲載いたします。
また、期間限定で無料公開中のインタビュー「人生は『憂鬱』と『熱狂』でできている」も併せてお楽しみください。

 僕は「月刊カドカワ」編集長だったころ、「オレは駄目になっている」と無性に苛立っていた。自分で自分に腹が立ってたまらなかった。やれ「雨が降った」だの「腰が痛い」だの理由をつけて、コンサートや芝居を観に出かけない。面倒くさい企画には顔を出さないで、大変な作家は部下に任せてしまっていた。

 ジムで汗を流して身体を鍛えなければ、僕はとてつもなくイライラする。僕は昔から何かに取り憑かれたように、まるで強迫観念のように身体を鍛えていた。トレーニングを1日でもサボれば、「今日のオレはなんと駄目な人間なのか」と自己嫌悪に陥る。だからこそ、どんなに多忙でもどんなに疲労困憊していても今日トレーニングする。「ひょっとすると明日はトレーニングができないかもしれない」と怖れて次の日もその次の日も休むことなくトレーニングを続ける。

 その僕が「面倒くさい」「今日は疲れたし腰も痛い」というくだらない理由で、コンサートや芝居、映画などの刺激物に触れることを億劫に思う。外からはやり手の編集長に見えていたかもしれないが、僕自身、自分はなんて駄目になってしまったんだと思っていた。

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この連載について

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たった一人の熱狂—仕事と人生に効く51の言葉

見城徹

「仕事」とは何か、「人生」とは何か。「圧倒的努力」「圧倒的結果」とはどのレベルを指すのか。「金」は全てか、「愛」とは何か、「死」とどう向き合うか。 数々の伝説的ベストセラーを生み出してきた幻冬舎代表取締役社長・見城徹さん。...もっと読む

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コメント

ousnc ある作家が太宰治に「天才はいつも劣等感を抱いているものだからね」と励ました話思い出した 4年以上前 replyretweetfavorite

chu24ki 人によるんじゃないかな。自己否定で縮こまって行動できないというパターンもあるし 4年以上前 replyretweetfavorite

gurokunai 「自分はダメだと思うのは一つの才能」会食で話せなかった後のとか似たことよくある(笑)思考を否定するんじゃなくて、後の行動を改善していきたい--- 4年以上前 replyretweetfavorite

Y_MITSUBOSHI 自己嫌悪の中に深く潜っている僕にとっては希望の持てる記事。がむばります。 https://t.co/Wvtefs27vH 4年以上前 replyretweetfavorite