愛の本質【結婚 その2】

結婚の経済的メリット・デメリットは数多く論じられているが、すべての家庭が経済的合理性だけで成立しているわけではない。一方で、経済面の考察をまったく抜きにして、現代の結婚生活を語ることもできない。
サトルは、結婚に関するソクラテスの主張に一定の理解を示しつつも、今ひとつ納得しきれないでいた。

ギリシャ哲学の専門家による笑いあり涙ありのコミカル哲学ストーリー『ソクラテスに聞いてみた』を特別掲載いたします。

サトル「どうかしましたか?」
ソクラテス「いや、キミの言うとおりだとすると、『貧しいながらも幸せな結婚生活』なんてありえないって話になりそうだけど、ほんとにそう言い切っちゃっていいのかな、と思ってね」
サトル「そういう例も、あるにはあるでしょうね。でも、そういうのはあくまで例外ですよ。普通は貧しい人が結婚してもみじめになるだけです」

ソクラテス「ぼくはそうは思わないな。それに、百歩譲ってそれが例外的だとしても、お金がないのに幸せな夫婦が1組でもいるかぎり、やっぱりさっきのキミの考えは誤りだと考えなきゃいけない。

たしかなのはこのこと、つまり、裕福であろうと貧乏であろうと、結婚によって幸せになる人も、不幸せになる人もいるってことだ。そして、お金の有無は幸福と不幸を分かつ決定的な要因じゃないってこと、これもまたたしかなわけだ」
サトル「それはまあ、そうでしょうけど……」

 だからどうしたって言うんだ、とぼくは思った。そんなぼくの疑念に気づいたのか、ソクラテスは急いで言葉を付け足した。

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この連載について

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ソクラテスに聞いてみた

藤田大雪

ソクラテス(職業:ホームレス?)、イカの燻製を片手に人生を語る。「よりよく生きる」ためのコミカル哲学ストーリー。 27歳、彼女ナシ。マンネリ気味の毎日を送るサラリーマンの僕の目の前に、突然、ホームレスのような姿をしたソクラ...もっと読む

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