備え」のために「憂い」あり【お金 その3】

全投資家に共通の心構えとして「At Your Own Risk」というものがある。相場という「意に沿わないモノ」に資産を委ねる以上、責任はすべて自分で負うしかないからだ。
サトルの話を聞いたソクラテスは、そうした生き方で本当に「将来の平穏」を得られるのか疑問に思っていた。

ギリシャ哲学の専門家による笑いあり涙ありのコミカル哲学ストーリー『ソクラテスに聞いてみた』を特別掲載いたします。

考えてみなきゃわからない

ソクラテス「……親愛なるサトルくん、ぼくにはやっぱり、キミの話を理解する能力が根本的に欠けているみたいだ。せっかく何度も説明してもらったのに、すまないね」

 ソクラテスは、本当に申し訳なさそうな様子で、頭をボリボリかいている。今日こそは言い負かしてやろうと思っていたのに、こうもあっさり降参されると拍子抜けしてしまう。ぼくは完全に戦意を失った。

サトル「……もう。将来の生活に備えなきゃ大変なことになるっていう、それだけの話なのに。どうしてわからないのかなぁ。でも、まあ、老後のために資産が必要なのはたしかなわけですし、お金がないなら、まずはちゃんとした仕事を見つけなきゃいけませんよね? そういうわけですから、ソクラテスさん、まずは投資の元手を稼ぐことからはじめましょうか」

ソクラテス「親切なご忠告、どうもありがとう。話の中身はぜんぜん理解できなかったけど、キミの善意は疑いようがないし、ぼくとしても、キミの提案を受け入れるのはやぶさかではない」
サトル「そうですか。それはよかった。それじゃまず、ハローワークに行って、求人を探して……」
ソクラテス「でも、その前に、大切な問題を考えておかないと。『人間はいかに生きるべきか』という、このうえなく重要な問題についてね」

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この連載について

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ソクラテスに聞いてみた

藤田大雪

ソクラテス(職業:ホームレス?)、イカの燻製を片手に人生を語る。「よりよく生きる」ためのコミカル哲学ストーリー。 27歳、彼女ナシ。マンネリ気味の毎日を送るサラリーマンの僕の目の前に、突然、ホームレスのような姿をしたソクラ...もっと読む

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コメント

restart20141201 ゛「キミはほかならぬその『備え』のために、ぼくよりずっと大きな憂いを抱えているように見えるけど」゛ 3年以上前 replyretweetfavorite

NJG_pr 友達、恋愛、仕事、お金、結婚。ソクラテスと人生を語るコミカル哲学ストーリー!| ぜひ本書とあわせてお読みください!(^^)! 3年以上前 replyretweetfavorite