自分の人生に取り組む【仕事 その4】

ひとたび「偽りの自分」で受け入れられた場合、以後ずっとそれを演じ続けることが求められる。その場合、「自分の人生を生きている」と言えるのだろうか? 「他人のための人生」を生きてることにならないのだろうか?
サトルは「汝自身を知れ」という言葉の真意を、ソクラテス本人から諭されていた。

ギリシャ哲学の専門家による笑いあり涙ありのコミカル哲学ストーリー『ソクラテスに聞いてみた』を特別掲載いたします。

ソクラテス「キミはいま、採用担当者が気に入るタイプの人間であるフリをして、会社にもぐりこもうとしているんだよね?」
サトル「そうあからさまに言われるとイラッとしますが、でも、言いたいのはそういうことです」
ソクラテス「しかし、どうだろう。そんなふうにして会社に入れば、キミは、キミ自身のあり方を偽ることで高い評価が得られる場に、長く身を置くことになるんじゃないかな?」
サトル「まあ、そう言えないこともないですね」

ソクラテス「それって、キミにとってすごく不幸なことじゃないのかな? ほかの人から認められるために、自分をごまかしつづけなきゃいけないっていうのは」
サトル「……たしかに。でも、大人になるって、そういうことじゃないでしょうか。人生には我慢がつきものだし、『自分を大切に』とか、『本当の自分』とか、青臭いことばかり言っていてもしょうがないでしょう」

ソクラテス「なるほど。ぼくの話は、大人のキミには青臭く聞こえるんだね」
サトル「皮肉を言うんですね」
ソクラテス「とんでもない! ぼくは本当に、キミのことを立派な大人だと思っているんだよ! だけどね、サトルくん、やっぱりこれだけはキミに言っておきたい。このまま自分をごまかしてほかの人に迎合しつづければ、いまにキミは自分の生に対する支配権を失って、自分の生き方を自分で決められない奴隷的な人間になってしまうだろう。

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この連載について

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ソクラテスに聞いてみた

藤田大雪

ソクラテス(職業:ホームレス?)、イカの燻製を片手に人生を語る。「よりよく生きる」ためのコミカル哲学ストーリー。 27歳、彼女ナシ。マンネリ気味の毎日を送るサラリーマンの僕の目の前に、突然、ホームレスのような姿をしたソクラ...もっと読む

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コメント

NJG_pr 友達、恋愛、仕事、お金、結婚。ソクラテスと人生を語るコミカル哲学ストーリー!| ぜひ本書とあわせてお読みください!(^^)! 4年以上前 replyretweetfavorite

ukECLQ1Jlr3teAu 偽りの自分を演じていい仕事に就いたとしても、それは間違いだ #SmartNews https://t.co/KrcEzSK0Rp 4年以上前 replyretweetfavorite

gaku88 人生を生きるうえで大切な指針は、自分をごまかさない、他人におもねらない、どんなときも最善を尽くす——この3つだ。 4年以上前 replyretweetfavorite