自分の適性を探求する【仕事 その2】

「自分は創造性が豊かなので○○の仕事に向いています」と希望を交えつつ自分の適性を宣言するのは簡単だ。しかし、その根拠を問われたときに即答できる者ははたしてどれだけいるだろうか。
サトルが作り上げた希望交じりの“適性”は、ソクラテスの質問によって打ち砕かれようとしていた。

ギリシャ哲学の専門家による笑いあり涙ありのコミカル哲学ストーリー『ソクラテスに聞いてみた』を特別掲載いたします。

仕事の適性は自己分析ではわからない

サトル「……えーっと。どうやらぼくは、仕事を最後までやり抜く根気と、情熱と、嫌な仕事も文句を言わずにやる忍耐力があるみたいだから、いまやってる営業職より、もっとクリエイティブな仕事のほうが向いていそうだ。前にやった性格診断テストでもたしか同じような結果が出ていたし、これ、けっこう信頼できそうだな。ねえねえ、ソクラテスさん。この結果、どう思います?」
ソクラテス「さあね」

 ソクラテスはふてくされながら話を聞いている。

サトル「あれ、あんまり興味なさそうですね」
ソクラテス「だってキミ、自分を探求する気がぜんぜんなさそうなんだもん」
サトル「失敬な。ぼくはいたって真面目です」

ソクラテス「そうは思えないね。それはともかく、サトルくん、『クリエイティブな仕事』って、えらく漠然としてないかい?」
サトル「そうですか?」
ソクラテス「少なくとも、ぼくにとってはわかりにくいな。そもそもどんな仕事が『クリエイティブ』にあたるの?」

サトル「えーっと。デザイナーとか、アーティストとかですかね」
ソクラテス「画家や詩人は?」
サトル「画家や詩人もすごくクリエイティブだと思います」
ソクラテス「じゃあ、会社や組織で新しいアイデアを考える人たちはどう? 彼らもまた、クリエイティブな仕事をしていると言えないかな?」

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この連載について

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ソクラテスに聞いてみた

藤田大雪

ソクラテス(職業:ホームレス?)、イカの燻製を片手に人生を語る。「よりよく生きる」ためのコミカル哲学ストーリー。 27歳、彼女ナシ。マンネリ気味の毎日を送るサラリーマンの僕の目の前に、突然、ホームレスのような姿をしたソクラ...もっと読む

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コメント

Singulith >   https://t.co/5JSW6VF23B 約4年前 replyretweetfavorite

NJG_pr 友達、恋愛、仕事、お金、結婚。ソクラテスと人生を語るコミカル哲学ストーリー!| ぜひ本書とあわせてお読みください!(^^)! 約4年前 replyretweetfavorite