サトル「でも、とりあえず、ソクラテスさんが恋愛をいいものだと思っていることはよくわかりました」
ソクラテス「そうか。それはよかった」
サトル「だけど、おかしいじゃないですか。ぼくがせっかく恋愛したい気分になってるのに、『恋はいつか終わる』とか、『恋をしつづけることは穴を開けた水瓶に水を注ぎつづけるようなものだ』とか、水を差すようなことばっかり言って。そんなことを言うヒマがあったら、ぼくに彼女ができるように、もっと応援してくれたらいいのに。何度も言ってますけど、ぼくは恋人がほしいんですよ」
ソクラテス「ぼくはキミの恋路を応援しているつもりだよ。ただ、恋というはかないものに、キミがあまりに多くのことを求めているように思えたものだからね」
サトル「いま応援するって言いましたね? だったら、どうやったらぼくに彼女ができるのかを一緒に考えましょうよ!」
ソクラテス「……まったく、キミという人は。自分が聞きたいことしか聞こうとしないんだから」
サトル「ソクラテスさんだって、さっき『私は自分の聞きたいことを聞く』って言ったじゃないですか! ……でも、相手がソクラテスさんだからこそ、こういう話を聞きたいなって思うんですよ」
ソクラテス「しかたないなあ」
サトル「ありがとうございます! ゼウスにかけて、心から感謝します!」
ゼウス様でもデウス様でもいいから、早く恋人ができる方法を教えてほしいんだって! モテたいんだ、ぼくは!
ソクラテス「よし。では、さっき明らかになった恋の本質を手がかりにして、キミがモテるための方法を考えてみよう」
サトル「ぜひ!」
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