サトル、「妄想の恋」を大いに語る【恋愛 その2】

何事においても効率が重視される現代。それは恋愛においても同じことが言える。一度「対象外」と判定した相手に情けをかけるのは「無駄な行為」なのだ――。
先程の合コンで「対象外」と判定されたサトルは、それでも諦めきれず、ソクラテスに「妄想の恋」を語っていた。

ギリシャ哲学の専門家による笑いあり涙ありのコミカル哲学ストーリー『ソクラテスに聞いてみた』を特別掲載いたします。

ソクラテス「キミはどういう人と付き合いたいの? どういう人が好みなの?」
サトル「優しくて思いやりのある人がタイプですけど。それが何か?」

ソクラテス「そうすると、キミは向かいの席に座ったかわいい子のことを、優しくて思いやりのある人だと思っていたんだね? で、その子を横取りした隣の席の男に対して憤りを感じていると、そういう話なんだね?」
サトル「いやいや、そんなわけないでしょ! そもそも、あんな女に思いやりなんてあるわけありませんよ」

ソクラテス「優しさもないのかい?」
サトル「あたりまえでしょ! 一流企業の社員じゃないってだけで、あんな態度をとるんだから! あー、思い出しただけでムカムカしてきた」

ソクラテス「しかし、思いやりも優しさもないとなると、その女性はキミの好みのタイプと正反対の人だったってことになるよね?」
サトル「そうですね。結果的に、ですけど」

ソクラテス「それならキミは、魅力的に見えた女性の本性を瞬時に見破ることができて、ずいぶん得をしたわけだ。仮にキミが一流企業の社員だったなら、こんなふうにうまくはいかなかったろうね。うっかりだまされて、ぜんぜん好みじゃない人と付き合うはめになっていたかもしれない」
サトル「まぁ、たしかに。……でも、そんなの屁理屈ですよ!」

 ぼくはあわてて首を横に振った。

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この連載について

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ソクラテスに聞いてみた

藤田大雪

ソクラテス(職業:ホームレス?)、イカの燻製を片手に人生を語る。「よりよく生きる」ためのコミカル哲学ストーリー。 27歳、彼女ナシ。マンネリ気味の毎日を送るサラリーマンの僕の目の前に、突然、ホームレスのような姿をしたソクラ...もっと読む

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コメント

nanamurananako なぜ彼氏が欲しいのか、なぜ結婚したいのか。 よく考えてみると彼氏ができても結婚しても解消されない理由だったりするよね。例えば「寂しいから」とか 約4年前 replyretweetfavorite

luckyandrich1 https://t.co/V4Zuo20U1R 完全に そくらてす先輩の勝ちだよなぁ (; ̄ェ ̄) 約4年前 replyretweetfavorite