幸せになる勇気

哲人は語る。「傷つかないために、人は『無能』を証明する」

問題行動の最終段階「無能の証明」。「特別な存在」として扱われることに失敗した人間は、自らの「無能」を証明することで、他人からの期待を避けるようになると言います。この段階に入った人間の心理は、いったいどのようなものなのでしょうか。100万部を突破したベストセラー『嫌われる勇気』待望の続編『幸せになる勇気』より、第二部を特別掲載いたします。

期待しないでくれ、わたしは無能なのだから

青年 無能の証明?

哲人 はい。ここはひとつ、自分自身のこととして考えてみてください。「特別な存在」として扱われようと、ここまでさまざまな策を講じてきたものの、どれもうまくいかない。親も教師も級友も、憎むことさえしてくれない。学級にも家庭にも、自分の「居場所」を見出せない。……あなただったらどうしますか?

青年 さっさとあきらめるでしょう。なにをやっても認めてもらえないのですから。なんの努力もしなくなるでしょうね。

哲人 でも、親や教師は、あなたにもっと勉強するようにお説教したり、学校での態度や友だち関係について、事あるごとに介入してくるでしょう。無論、あなたを援助しようと思って。

青年 余計なお世話です! そんなもの、うまくやれるのなら、とっくにやっていますよ。いっさい構わないでほしいですね。

哲人 その思いも理解してもらえません。周囲はあなたにもっとがんばってもらいたいと思っている。やればできるし、自分の働きかけによって変わるはずだと期待している。

青年 そんな期待、大迷惑だと言っているでしょう! 放っておいていただきたい。

哲人 ……そう、まさにその「これ以上わたしに期待しないでくれ」という思いが「無能の証明」につながるのです。

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幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

--- - "岸見 一郎" - "古賀 史健"
ダイヤモンド社
2016-02-26

この連載について

初回を読む
幸せになる勇気

岸見一郎 /古賀史健

『嫌われる勇気』から3年後、教師になった青年は再び、哲人のもとを訪ねる。「アドラーを捨てる」という、思ってもみなかった決意を胸にして。本当に「世界はシンプルであり、人生もまたシンプル」なのか。それとも「アドラー心理学」は現...もっと読む

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コメント

itotatatito 「無能の証明」について https://t.co/tGc0xhxrpO 記事の最後に「続きが読めるのは有料会員だけ!」の引きがありますがステマじゃないです。おれも会員ではない。 6ヶ月前 replyretweetfavorite

restart20141201 この感覚、解るなあ。 ゛私に期待しないでくれ゛アピールしたい気持ち。 失敗が嫌だから。 1年以上前 replyretweetfavorite

nyanmage_x 自分が無能である事の証明ならば得意中の得意だぞ(エッヘン 1年以上前 replyretweetfavorite

Tatopon5 中学の時勉強は出来るのにわざと無能っぽい行動する子いたなあ> 1年以上前 replyretweetfavorite