「理想の上司」で松岡修造に投じた人の離職率
「理想の上司」を問うアンケートで、松岡修造に票を投じた新社会人って不安だ。以前も当連載で取り上げた記憶があるが、明治安田生命が行なう恒例アンケートの最新回で、遂に松岡修造が池上彰からトップの座を奪ったのだ。なぜ新社会人は「頑張ればできる!」「気持ちが足りない!」と反復してくる存在を理想とするのだろうか。頑張ってもできないことがあるし、気持ちの充足程度ではどうにもならないことがいくつも待ち受けているのが社会なのだが、新社会人は上からの闇雲な高圧を待望しているようなのだ。
是非とも明治安田生命には継続調査をしてもらい、「『理想の上司』を誰と答えた人の離職率が最も高いか」を3年後にでも発表してもらいたい。独断と偏見、というか単なる偏見だが、松岡修造に投じた人の離職率は下位の人物に投票した人より高いのではないか。逆に、社会人生活に突入する前から、「理想の上司」を博多大吉(男性12位)、光浦靖子(女性13位)辺りに設定できる人というのは、「優しい上司であってほしい」という甘い願望が透けて見えるものの、常にホットでアゲアゲな社会人生活を理想としていないという点においては共感できる。なかでも「おっ、新社会人、いいとこついてきたな」と唸らされたのが、最新回で突如10位にランクインしてきた、いとうあさこである(男性10位の設楽統もなかなかの選球眼)。
「ババア少女がいい」と光浦靖子
先日発表されたビデオリサーチ社の「タレントイメージ調査」(2016年2月)でも、前回(2015年8月)の48位から36位とジャンプアップしているいとうあさこ。では最近、彼女に突出した案件があったかといえば特に見当たらず、言わばルーティーンの中にある。流行語が半年も持たずにしぼんでいくスピーディな芸能界にあって、じわじわ染み込んだ好印象が一気に発芽したということなのだろうか。
光浦靖子が『シューイチ』で、千秋と北陸新幹線開通1周年の旅に出かけていた。男性アナウンサーが「オトナ女子に人気のスポット金沢を……」と切り出すと、光浦は「オトナ女子」という響きを嫌がり、「ババア少女がいい」と提案した。「オトナ女子」という言葉にこびりつくマーケティング臭を瞬間的に払い落とす言葉の変換にうっとりしたが、その名も『オトナ女子』というドラマに主演していた篠原涼子は、「理想の上司」ランキングで順位を上げている(昨年6位→今年2位)。フレーズに寄りかかったマーケティングが、見事に功を奏したということになるのだろうか。
やっとひとつ見つけたのが「自虐」
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