どうでもいい話なんだけどさぁ、という口癖

学校や職場であったくだらない話を誰かに話したくなることはありませんか。「どうでもいい話なんだけどさぁ」と前置きして話す人を見ると、寂しさと羨ましさを感じるという牧村さん。身近に起こった、なんてことない話をするのをためらっていた牧村さんは、大人になってからとある自分の姿に気付いたそうで……? どうでもいい話に込められているものとは一体何なのでしょうか。

「どうでもいい話なんだけどさぁ、」と言って話し始められると、無性に寂しくなってしまう。

話がどうでもいいかどうかを決めるのは、話の内容ではない。話す人だ。今日の朝ごはん、昨日すれ違ったおっさん、どのような“どうでもいい話”をしていようと関係ない。その話を他ならぬ私にしてくれる、それだけでその人は私にとって決してどうでもよくない大事な人になる。だから、その人に「どうでもいい話なんだけどさぁ」と話し始められると、なんだかどこか寂しくなってしまうのだ。勝手に。

「どうでもいい話なんだけどさぁ、」というのが口癖の人を見ると、無性に羨ましくなってしまう。

そういう人はたぶん、子どもの頃に、帰ったら毎日毎日“どうでもいい話”を聞いてくれる親や養育者に愛されて育ってきたんだろう。愛は受容だと思う。くしゃみをしたら鼻水が出たこと、帰り道に干からびたミミズが転がっていたこと、その人に起こった何もかもを「うん、うん」ってただ聞くということは、すごく、愛だと思う。喜びに声を上げられるように、怒りや悲しみが内側にこもってしまわないように、その人の言葉にならない気持ちまで「うん、うん」って受け止めてあげられることは、すごく、愛だと思う。

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ハッピーエンドに殺されない

牧村朝子

性のことは、人生のこと。フランスでの国際同性結婚や、アメリカでのLGBTsコミュニティ取材などを経て、愛と性のことについて書き続ける文筆家の牧村朝子さんが、cakes読者のみなさんからの投稿に答えます。2014年から、200件を超える...もっと読む

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コメント

makimuuuuuu 「どうでもいい話なんだけどさぁ」って言ってから話すのが癖のあの人に、本当は言いたいんだ、「あなたが話すことならみんなたいせつだよ、なんだってどうでもよくなんかないんだよ」って https://t.co/ClDLogYrht https://t.co/3VWiSVKqNh 7ヶ月前 replyretweetfavorite

punimaru1 私も同じことを考えてた時期があったけど、ここまで深く内省したことはなかった。自分のモヤモヤを解説してもらったような気分 2年以上前 replyretweetfavorite

splitter_94 会員じゃないからこの冒頭部分しか読んでないけど 分かるなあ。。ああ、育ちがいいのね、と、私は思って接している……https://t.co/8ElXYPANmD 2年以上前 replyretweetfavorite

Apollonadelphoi > 「どうでもいい話なんだけどさぁ、」というのが口癖の人を見ると、無性に羨ましくなってしまう。 そういう人はたぶん、子どもの頃に、帰ったら毎日毎日 3年弱前 replyretweetfavorite