イースター島、マチュピチュに学ぶ遺跡の有効利用

イースター島のモアイ、マチュピチュといえば世界有数の遺跡ですが、堀江貴文さんは実際に訪れるなかで何を感じたのでしょうか?
出所から2年半の間に、28カ国58都市を訪れた堀江さん。急成長し続けるアジア諸国、停滞・成熟する欧米などを巡りながら、この日本という国で僕たちがどう生きればいいのかを堀江さんは考えました。
大反響の書籍『君はどこにでも行ける』を、特別掲載いたします。

モアイだけでいつまでも食べていける観光島 

 本書制作中である2016年の年明け、チリとペルーを訪れた。人生初の南米大陸旅行だ。


チリ:人口:1782 万人(世界58 位)、GDP:2580億ドル (世界42位)、一人当たりGDP:1万4479ドル(世界51位)
ペルー:人口:3142 万人(世界40 位)、GDP:2026億ドル (世界53位)、一人当たりGDP:6448ドル(世界90位)

 1月2日、ロサンゼルス経由でサンティアゴへ。最初の行き先は、イースター島だ。この島の有人島としての歴史は、1500年ほど。ポリネシア人たちが移り住んできたのが始まりだ。マルクス諸島から島々を渡り、ほとんど絶海の孤島と言えるイースター島へ移り住んだポリネシア人のバイタリティはすごい。

 島民は、彼らの守り神としてモアイをつくった。しかし、資源の争奪による部族間の争いが激化。各部族の守り神であるモアイを引き倒し、その目を粉々に砕いたという。

 島には現在、1000体近くのモアイが確認されている。だがいずれも倒れていたり、つくりかけのまま放置されていて、再建されているのは45 体のみだ。そんな先祖の遺産を、フルに観光地化することで、イースター島は無税で成り立っている。


 実際に近くで見るモアイは、壮観だった。ただしモアイ本体には触れられない。接近は厳しく制限され、岩の山の頂上には登れなくなっていた。でも、島内でドローンを飛ばす規制はないらしい。来島する際には是非、高性能ドローンを持参するといいだろう。

 正直なところ本当に、モアイしかない島だ。逆に言うとモアイだけで食べていけるから、島民全体にやる気がない。世界的に有名な島なのだから、食べ物や名物がありそうなものだけど、食料はほとんどチリ本土からの空輸。名産物は特になし。物価は高く、ホテルなど宿泊施設のレベルは低い。島全体が「来たければ来れば?」という、ぶっきらぼうな感じ。島民6000人が生活保護で食べているような、活気のなさだ。けれど観光地としてのブランドは世界的に高いという……それはそれで、イースター島の独自の価値となっている気もする。

 ちなみにイースター島は戦前の1937年に、チリ政府から日本への売却が持ちかけられたことがある。当時の外務省の記録にも残っている。アメリカなどへも売却の打診があったため、そのまま売却話は自然消滅になったようだ。買っていたらどうなるのかを考えるとちょっとおもしろい。

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君はどこにでも行ける

堀江貴文

街角で〝爆買い〟する中国人観光客を横目で見た時に感じる「寂しさ」の正体はなんでしょう。出口の見えない不況の中で、気づけば日本はいつの間にか「安い」国になってしまいました。 出所から2年半の間に、28カ国58都市を訪れた堀江貴文さ...もっと読む

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コメント

areluya1721 肥沃な南米の食材は世界でも随一か。 それにしても、肥沃なアマゾンがあり発展を遂げたインカ文明が世界4大文明に載っていないの絶対におかしい。 2年以上前 replyretweetfavorite

BOtouchbo ペルーハーフの同級生いましたね 2年以上前 replyretweetfavorite

pochakawanon 世界遺産の富士山を有効に使えていないなー。富士山の他にもお城を見下ろせるお城型ホテルとかも海外セレブが好きそう。 2年以上前 replyretweetfavorite

terry_i_ モアイしかり、古き良き観光資産は国が管理するパターンが多く、運営がイケてない場合が多い。観光資産を有効活用し「また来たい」と思わせる体験の提供が大切。|堀江貴文(@takapon_jp) 2年以上前 replyretweetfavorite