食べログ」的な口コミサイトの信用はアメリカでも問われている

日本ではステマや口コミサイトの偽装による情報操作が話題となっています。アメリカでも同じような事件が起こっているそうで。アメリカ在住の作家・渡辺由佳里さんは、ふとしたことから「TripAdvisor」と大手グルメ口コミサイト「Yelp」の評価を見比べることにしました。そこから見えてきた口コミサイトの実態とは?

先日、日本に帰国中、ランチやディナーの場所を選ぶためにネットをおおいに活用した。

Googleの検索のトップに出てくるので「食べログ」も読んだが、全体的に評価が低い(星の数が少ない)のには驚いた。アメリカでは口コミ評価サイトでのランキングの上位は5つ星に近いのに、「食べログ」では上位でも星が4つ未満のことが多い。(評価の算出基準が違うことは後で知った)

だから、「このお店に行って、ほんとうに大丈夫なんだろうか?」とずいぶん迷った。実際に、食事をしてみて思ったのは、「同じ星の数でも、期待よりずっと良い店と、期待はずれの店がある」ということだった。

「食べログ」では業者による評価の偽装トラブルもあったと聞いた。私が行ったところは偽装をしているわけではないだろうが、やはり、信頼できる知人に教えてもらうのが一番なのは間違いない。

アメリカにもプロではなく利用者体験を集めた「食べログ」のような評価サイトはたくさんある。ユーザーを利用したグルメガイドブックの元祖は1979年にニューヨークのザガット夫妻が始めた「Zagat(ザガット)」といえるだろう。私がアメリカに移住した1995年はまだインターネットが今ほど発達していなかったので、毎年更新される書籍のZagatを購入して活用したものである。


zagat.com

ところが、インターネットが普及し、高校生すらiPhoneなどのスマートフォンを持ち歩くようになって「レストランの探し方」は大きく変化した。私も、いつのまにかZagatを買うよりネットで利用するようになっていた。

1年ほどまえにニューヨークの大学に在学中だった娘とマンハッタンを歩いているとき、「お腹がすいてきたから早めにランチしようか。このあたりで美味しいお店知っている?」と尋ねたところ、彼女は即座にiPhoneを取り出してYelp(イェルプ)をチェックしはじめた。


yelp.com

Yelpは2004年にサンフランシスコで誕生したユーザー評価サイトで、2015年には月平均訪問者数がパソコンで8千万人、スマホで9千万人と、老舗のZagatだけでなく、競合すべてを引き離してトップの座についている

けれども私は娘に「Yelpで探すのはやめて」と文句を言った。
じつをいうと、Yelpに関しては、忘れられない嫌な体験があるのだ。

5つ星なのに最低のピザ

もう5年以上前のことだ。土地勘がないカリフォルニアで、夫が「ピザを食べたいから近くでピザ屋を探して」と私に頼んだ。
ネットで検索すると、車で5分くらいの場所にYelpでものすごく良い評価を得ているピザ店がある。星5つ近くあって、絶賛されているのでほかは探さずそこに決めた。

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アメリカはいつも夢見ている

渡辺由佳里

「アメリカンドリーム」という言葉、最近聞かなくなったと感じる人も多いのではないでしょうか。本連載では、アメリカ在住で幅広い分野で活動されている渡辺由佳里さんが、そんなアメリカンドリームが現在どんなかたちで実現しているのか、を始めとした...もっと読む

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コメント

sayakatake 私は悪評をとことん読む。そこで実情が見えてくること多い。 4年以上前 replyretweetfavorite

c_manami_001 不特定多数の口コミサイトより信頼できる人が運用してるキュレーションサイトがドンドンきてるもんね。 4年以上前 replyretweetfavorite

soleceh 私もこの数年、口コミサイトを読まずに、信頼している人の紹介か、同じ感性の批評家・ブロガーの意見しか参考にしていない。 @YukariWatanabe: 4年以上前 replyretweetfavorite

gshibayama 評価サイトの特性を知るのはとっても大事。僕個人は、最低100以上の口コミが必須かな?⇒ 4年以上前 replyretweetfavorite