雨月メッツェンバウム次郎
消化器の専門家が大腸カメラを受けたら危ないところだった話
医学というのは、患者から見た場合と医者から見た場合では、印象も切実さも異なるようです。今回の雨月先生は、患者側からの実体験リアルレポートをお送りします。患者側から見た医療の世界では、思いがけず、さらに違う世界にトリップしてしまいそうな瞬間もあったようです。
こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
今回は医学のお話をいたしましょう。
先日、私は大腸内視鏡検査を受けました。これは正確には「下部消化管内視鏡検査」と言いまして、お尻の穴から親指くらいの太さの内視鏡を入れて大腸を全てカメラで観察するという検査です。
私が普段手術で見ているのは腸の外側ですが、カメラは腸の内腔側です。あまり知らない人が多いのですが、医学的には口から肛門までの「消化管」=体の外側、なのですよ。体の外側ということは、あなたの部屋の中と同じ、電車の中と同じ。だから間違えて鉛筆を飲み込んだらお尻から出てきた、なんてことがあるわけです。基本的にはなにを口から入れてもまあ大丈夫なんですよ、ああ、手で触ってはいけない塩酸や毒物などはダメですけどね。
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この連載について
雨月メッツェンバウム次郎
高学歴エリート集団だと思われがちな外科医の世界は、実は、毎日人を切り刻んでる特殊な世界です。現役医師が語る外科医の世界は、とっても不思議な世界。毎日、さまざまな患者さんと接し、手術をするなかで感じたことを、ありのままに語ります。not...もっと読む
著者プロフィール
雨月 メッツェンバウム次郎。アラサーの現役外科医。既婚。某国立大学医学部卒業後、外科医として働く。ほぼ毎日手術があり、年間200件近く参加する傍ら、年に1, 2回は海外学会へ、年に7回は国内の学会へ自腹で行く。 ツイッターでも呟いています。twitter @ugetsujiro noteでも書いてます。「cakes連載記事、あそこには書けないウラ話」https://note.com/drdolittle/m/m15f589680155