本当の友達はどうつくる?【友達 その1】

サトルが向かったアゴラ公園にいたのは、長いアゴヒゲをたくわえた、ハゲ頭のしょぼくれたジイさんだった。確かに彫像の写真で見たソクラテスに似てるけど……。ジイさんはゼウスだのアガトンだの、わけのわからないことをいってサトルを困惑させたあげく、夜中だというのに議論を吹っかけてきた。
ギリシャ哲学の専門家による笑いあり涙ありのコミカル哲学ストーリー『ソクラテスに聞いてみた』を特別掲載いたします。

第1章 友達 どうしたら「本当の友達」はできるのか?

ゼウスに誓って、ぼくはソクラテスだけど、何か?

 ソクラテスがいるアゴラ公園は、鴨川の河川敷にある大きな公園で、駅からの帰り道にある。仕事帰りに夜風にあたってビールを飲むのにちょうどよく、ぼくにとってはお気に入りの場所だ。今夜は少し寒いのに、ついいつものクセでビールとつまみを持って来てしまった。

 それにしても、こんな時間にこんな場所にいるなんて、いったいどういう人なんだろう。 ぼくは、はやる気持ちを抑えきれず、公園への道のりを急いだ。

 細い路地をつきあたりまで歩いて、階段を降りると、そこが公園だ。門をくぐって河川敷 に入ると……。川に沿った細長い広場のど真ん中に、見るからにあやしい人影が1つ。よく見ると、長いアゴヒゲをたくわえたハゲ頭のジイさんが、薄汚れた布を身体にぐるぐる巻きつけただけの格好で、裸足で突っ立っている。難しい顔をして、アゴに手をあてて、何やら考えごとをしているらしい。

 「あの見た目、たしかにソクラテス……だよな?」

 どこからどう見ても完璧にソクラテスだ。もしかして、ぼくに見せるためにコスプレをして、ずっとここでスタンバってたのか? いや、まさか、そんなわけはないよな。

 ……しかし、なんだよ。顔つきまで完全に外国人じゃないか。メッセージは日本語だったけど、言葉はちゃんと通じるのか? ぼくはビビりながらも、勇気を出してそのジイさんに話しかけてみた。

サトル 「あのう、ソクラテスさん……ですか?」
ソクラテス 「おわっ! えっ、あれっ、なんだここは?」

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この連載について

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ソクラテスに聞いてみた

藤田大雪

ソクラテス(職業:ホームレス?)、イカの燻製を片手に人生を語る。「よりよく生きる」ためのコミカル哲学ストーリー。 27歳、彼女ナシ。マンネリ気味の毎日を送るサラリーマンの僕の目の前に、突然、ホームレスのような姿をしたソクラ...もっと読む

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NJG_pr 友達、恋愛、仕事、お金、結婚。ソクラテスと人生を語るコミカル哲学ストーリー!| ぜひ本書とあわせてお読みください!(^^)! 約4年前 replyretweetfavorite