笑いのカイブツ

​僕は今、笑いに一番近い場所にいる。ここで死なせてくれ。

ハガキ職人をはじめて、もう2年目。採用数はおびただしく重なるものの、未来への不安が重くのしかかるようになりました――
他を圧倒する量と質、そして「人間関係不得意」で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキさん。ハガキ職人の狂投稿時代、二年目のお話です。

ボクは 23 歳になった。 順当に生きていれば、就職して社会人になっている年齢。
大学に行ったクラスメイトたちは、今頃、就職して、社会の中に完全に溶け込んでいる。

彼らが出勤しているであろう時間帯。 僕は迷わず、チラシの裏にボケを書き殴る。

ハガキ職人をはじめて、もう一年が過ぎた。
ハガキ職人には、定年もリストラもない。
ハガキ職人の終わりは、いくら送っても、ネタが読まれなくなったその時だ。

そうなった時、僕はどうなるんだろう?

時おりそんなことを考えるようになった。

昼になると、バイト先の TSUTAYA に向かう。

よく TSUTAYA の面接に受かったなと、自分でも思う。
ホストクラブの店舗名だらけで埋め尽くされた履歴書じゃあ、どこも雇ってくれるはずがない。
だから僕は、 18 歳の時にやっていた肉体労働を、 5 年間やったことにした。
ウソの職歴を書いた履歴書で受かった面接だ。

欲しかったのは、もっともっと鋭角な脳みそ。
なりたかったのは、もっとヤバくて、おもしろい自分。
生活費は最低限でよかった。

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笑いのカイブツ

ツチヤ タカユキ
文藝春秋
2017-02-16

この連載について

初回を読む
笑いのカイブツ

ツチヤタカユキ

他を圧倒する量と質、そして「人間関係不得意」で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキさん、二七歳、童貞、無職。その孤独にして熱狂的な笑いへの道ゆきが、いま紐解かれます。人間であることをはみ出してしまった「カイブツ」はどこへ行くのでし...もっと読む

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コメント

ora109pon 僕は今、笑いに一番近い場所にいる。ここで死なせてくれ。 | 4年弱前 replyretweetfavorite

ora109pon 僕は今、笑いに一番近い場所にいる。ここで死なせてくれ。| ツチヤタカユキ https://t.co/2tH9CToqvt 4年弱前 replyretweetfavorite

nobi_nobiko 笑いが怖くなる。 4年弱前 replyretweetfavorite

yasusyou ありきたりだけど、凄い人だ。 僕は今、笑いに一番近い場所にいる。ここで死なせてくれ。|ツチヤタカユキ https://t.co/dCUvSIQm74 4年弱前 replyretweetfavorite