自民党大会での「君が代」独唱
夏の参院選に出馬するSPEEDの今井絵理子は、早速、自民党の党大会で「君が代」を独唱した。清々しいまでに露骨なブッキングである。映像で確認したが、そもそも音域は広くなく声量もさほど無いので、なかなか厳しい仕上がりだった。
以前、音楽雑誌のコラムのネタとして、様々な歌手がスポーツの試合前に歌う「君が代」独唱を考察すべく50本近くの動画を見たのだが、最も厳しい出来だと感じたのは、2011年の男子サッカー「日本vs韓国」(キリンカップ)での、Aqua Timez・太志だった。高音だが音域の狭い人が、出だしから高音で入ってしまうと、どうしても「いーしーのー」辺りで限界点を超えて不安定になってしまう。キーを下げて歌う歌手も多く、音域が狭く声量も豊富ではない倉木麻衣のように、自分の音域を推し量れる人のほうが、最後まで聞き通すことが出来る。
今井は今回の独唱を、Aqua Timezよろしく、出だしから高音で入ったものだから、後半とっても苦しくなっていった。思い起こせばSPEEDの楽曲では、極端にキーが高くなる部分の殆どを島袋寛子が歌っていた。その音域と声量の差は、それぞれのソロ活動、hiro、Eriko with Crunchの楽曲の特性としても表出していたが、今回のキーは、島袋でなければ歌いこなせない高さだった。
「飾りのないシンプルなパンプス」
去年の夏、島袋と結成したユニットERIHIROでは、流行りのEDMを盛り込んだ楽曲で「『いろいろあるけど、たまにはハジけてもいいよね』っていうメッセージを伝えたい」(SPA!)と述べていた今井。それからわずか半年で、出馬会見に臨む様子を「白いセットアップスーツに、飾りのないシンプルなパンプス。耳元や胸元にアクセサリーはなく、ダンスでなびかせていた長い髪はすっかり短くなっていた」(産経新聞)と書かれるなど、脂っこい上司に査定されるような筆致を受け止めていることには驚きがある。
同棲状態にある男性が逮捕歴(不起訴)を持っていることがネガティブに伝え広まっているが、彼女はその本人ではないので、何かの決定打として引っ張る題材ではない。彼氏に逮捕歴があるからダメの後に、でも、息子さんの障害と寄り添ってきた経験を活かして政治の世界へ、が被さるならば、その両題材とも、使い方を間違えている気がする。
「疲れたBody」はバディーかボディーか
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