渡辺由佳里
トランプ逃げ切りなるか? 勝者総取りでにぎわうミニスーパーチューズデー
2016年はアメリカ合衆国大統領選挙の年! スーパー・チューズデーの後、「勝者総取り」が多い、3/15の「ミニ・スーパー・チューズデー」が、また新たな基点になるそうです。
アメリカ在住の作家・渡辺由佳里さんによる、アメリカ大統領選のやじうまレポートをぜひお楽しみください。
3月1日に終わった「スーパーチューズデー」は有名だが、明日15日(日本時間は16日)の「ミニ・スーパーチューズデー」は、結果次第では勝者がほぼ決定するかもしれない。
とくに、今年の選挙は、いつ何が起こるかわからない混乱状態なので目が離せない。
まず、15日に選挙が行われる州と代議員の割当数を見てみよう。 民主党は得票率によって代議員を振り分けるが、共和党では、州により「勝者総取り(Winner-take-all)」というシステムがある。
15日のフロリダ、イリノイ、オハイオ、北マリアナ諸島は「勝者総取り」の州であり、とくにフロリダとオハイオが注目されている。

3月15日に行われる予備選 ※黄色地部分は「勝者総取り」
共和党はトランプの逃げ切りなるか?
「トランプにハイジャックされた共和党の奥の手」にも書いたが、共和党エスタブリッシュメントはトランプ大統領の誕生をなんとしても阻止しようとしている。だが、トランプが代議員の過半数を確保したら嫌でも「共和党の指名候補」として認めなければならない。
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この連載について
渡辺由佳里
みなさん、2016年は4年に一度の祭典、オリンピック!ではなく、いいや「アメリカ合衆国大統領選挙」の年です。世界情勢にもつよい影響をおよぼす、オバマ大統領につづく大統領は誰なのか? アメリカ在住の作家・渡辺由佳里さんが、このビッグイベ...もっと読む
著者プロフィール
エッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家。助産師、日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、1995年よりアメリカ在住。
ニューズウィーク日本版に「ベストセラーからアメリカを読む」、ほかにFINDERSなどでアメリカの文化や政治経済に関するエッセイを長期にわたり連載している。また自身でブログ「洋書ファンクラブ」を主幹。年間200冊以上読破する洋書の中からこれはというものを読者に向けて発信し、多くの出版関係者が選書の参考にするほど高い評価を得ている。
2001年に小説『ノーティアーズ』(新潮社)で小説新潮長篇新人賞受賞。著書に『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』(亜紀書房)、『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社)などがある。翻訳には、レベッカ・ソルニット『それを、真の名で呼ぶならば』(岩波書店)、糸井重里氏監修の『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社、日経ビジネス人文庫)、マリア・V スナイダー『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)、がある。