若者よ、人に会いにゆけ
津田大介(以下、津田) 旅といえば、この本で人生を豊かにしてくれる三本柱として「人・本・旅」が挙げられているじゃないですか。僕も大学生向けに講演をするとき、この三本柱のなかで必ず挙げている要素があって。
出口治明(以下、出口) ほう。なんですか?
津田 「人に会いなさい」です。なぜかと言われたら、大学生の特権だから。社会人になってから気になる人に会おうとすると、どうしてもビジネスマターになってしまいます。忙しい人ってビジネスマターではなかなか会ってくれないけれど、学生の頼みを断ることには罪悪感を持ってくれたりする(笑)。人に会いやすいのは大学生の特権だから、いまのうちに会っといたほうがいいとアドバイスしているんです。
出口 それはいいアドバイスですね。大学生が突然電話してきたら、多少無礼でも、学生だから仕方ないって思われますし。
津田 この本の冒頭も書いてありますよね、「僕のところに若者が訪ねてきました」って。それが本書の編集者さんというわけですが、やっぱり出口さんのところには若者がよく来るんですか?
出口 僕は60歳で生命保険会社をゼロから開業した「還暦ベンチャー」ということもあって、「起業したいんです!」と若い人からよく相談を受けるので、仕事に差し障りがない限り、極力会うようにしています。
津田 それは、若い人と会って相談に乗っているうちに、出口さんにも得られるものがあるから?
出口 単純に、やっぱりワクワクするじゃないですか。……まあ、それほど面白い話はめったにないのですが。
会場 (笑)
出口 とはいえ、そもそも世の中に、そんなにおもしろい話があるわけではありませんので、ダメ元です。でも、ときどきいい話を聞けたりすると、そのときは得した気分になれますね。
なにより、会いたいと言ってくださるうちが華です。僕はライフネット生命のことを知ってもらうために、10人以上集めてくださったら、どこへでも講演に行くと広言しています。訪ねてきてくださるのも呼んでくださるのも、本当にありがたいことだと思っています。
旅という名の現場へ出よ
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