牧村朝子
私の頭の中のキモオタ
気持ち悪いオタクを指すネットスラングの「キモオタ」。今回牧村さんはそんなオタクの方へお願いしたいことがあるといいます。一見、キモオタには見えない牧村さんですが、とあるオタクの文章に救われたことがあるそうで……? 牧村さんと気持ち悪いオタクの間にはどのような関係があるのでしょうか。
前略 キモオタの皆さんへ
突然ですが、お願いがあります。キモオタの皆さんの仲間うちに、私を入れて欲しいのです。
そんなふうに思うくらいですから、私はキモオタの皆さんにこのお願いが歓迎されないことも分かっています。私は女だし、非処女だし、28歳だし、三次元に実在しちゃってるし、なにより、皆さんのことを「キモオタ」という蔑称で呼んでしまっています。
非礼をお許しください。この手紙で私が皆さんを「キモオタ」と呼ぶのは、皆さんを見下しているからではありません。ただ、そのキモさ、そのオタクさこそが自分をキモオタたらしめているのだからと自ら「キモオタ」を名乗る皆さんのことを、私も「キモオタ」と呼ぶまでです。
こんにちは、キモオタの皆さん。
皆さんと友だちになることは、いろいろな理由からきっと難しいのでしょう。けれど、いや、だからこそ、今日は、キモオタの皆さんにお手紙を書きたくなったきっかけのお話をしたいと思います。この気持ちに私は、こんなところから気づいたんです。
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この連載について
牧村朝子
性のことは、人生のこと。フランスでの国際同性結婚や、アメリカでのLGBTsコミュニティ取材などを経て、愛と性のことについて書き続ける文筆家の牧村朝子さんが、cakes読者のみなさんからの投稿に答えます。2014年から、200件を超える...もっと読む
著者プロフィール
タレント、文筆家。2010年、ミス日本ファイナリスト選出を機に芸能界デビュー。2012年渡仏、フランスやアメリカでの取材を重ねる。2017年独立、現在は日本を拠点とし、執筆・メディア出演・講演を続けている。夢は「幸せそうな女の子カップルに"レズビアンって何?"って言われること」。出演『ハートネットTV』(NHK総合)ほか、著書『百合のリアル』(星海社新書/2017年、小学館より増補版刊行)『ハッピーエンドに殺されない』(青弓社/2017年)ほか。愛称は「まきむぅ」。