こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
ある日の夕刻、私はかなりイケメンの独身こじらせ先輩と女性二人の四人で、お寿司屋さんの座敷におりました。女性は一人は人妻で、もう一人はIT系の丸顔美女、年の頃は20歳代も暮れにさしかかったころ。
掘りごたつに座り、運ばれてきた冷えたプレミアムモルツで乾杯です。
結婚指輪を着けての参戦をしてくれた人妻女子は「こじ先輩はどれだけイケメンなんですか!」ばかり言っていて、すでに目がハートになっている。これは、今夜はこじれそうだな……と思いつつ、私は熱燗を注ぎます。コリコリとした酢漬けのなまこがお酒に良く合います。
続いて運ばれてきた刺身の盛り合わせを頂きながら、こじ先輩は「もぐらたたき女子って知ってます?」から始まる不思議なトークで盛り上げてくれました。
なんですかそれは?と尋ねると、
「飲み会で出会った子から後日食事でもいきませんか、とメールが来たんです。で、僕がいいですね行きましょう、と返事すると、その後返事がさっぱり来ないんです」
そりゃ不思議な。人妻女子は「えー!こんなイケメンにもったいないー!」と言っています。
「で、僕もなんなんだこの子は、と思うじゃないですか」
「確かに、いい迷惑です」私が言います。
「ところがね、2、3ヶ月するとまたその子からメールが来るんです」
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。