笑いのカイブツ

うつ病とか、中二病とか、世の中はなんで人間をくくりたがるねん! ボケー!!!」

4年ぶりに再会を果たしたピンクとのドライブ。怒濤のごとくしゃべり出したツチヤタカユキさんに、ピンクは「神様はいない」と言い放ちます。それを聞いたツチヤさんは突然車から飛び出して——。
他を圧倒する量と質、そして「人間関係不得意」で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキさん。その孤独にして熱狂的な笑いへの道ゆきが、いま紐解かれます。

保護観察官にピンクが会いにいってから30分ぐらい経っただろうか。
だるそうに戻って来た車に、僕は乗り込んだ。
ピンクは焦った顔をしていた。

「どうやった?」

「ヤバイわ」

「何があったん?」

「次、給与明細持って来い、言われた」

「ヤバイな。風俗嬢のヒモってバレたら、ムショに戻されてまうんやろ?」

「せや。どうしよ」

「ガチでタクシー運転手やれや」

「せやな。それしかないわ。なあ?」

「なんや?」

「このレンタカー、24時間借りてんねん。だから、24時間、ドライブせえへん?」

「ええよ。缶チューハイもう一本買うて」

「お前、めっちゃ調子乗り出したのう」と、ピンクは笑った。

コンビニで買ってもらった、新しい缶チューハイを飲む。
そんな僕を見て、ピンクは言った。

「あの頃のお前は、どこに行ってん」

これが自堕落な本来の僕の姿だ。

「オレ、むっちゃむなしいことあってな」

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笑いのカイブツ

ツチヤ タカユキ
文藝春秋
2017-02-16

この連載について

初回を読む
笑いのカイブツ

ツチヤタカユキ

他を圧倒する量と質、そして「人間関係不得意」で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキさん、二七歳、童貞、無職。その孤独にして熱狂的な笑いへの道ゆきが、いま紐解かれます。人間であることをはみ出してしまった「カイブツ」はどこへ行くのでし...もっと読む

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コメント

hamakihito 好きなこと、10年やった時点で、お前は幸せな奴や 「うつ病とか、中二病とか、世の中はなんで人間をくくりたがるねん! ボケー!!!」|ツチヤタカユキhttps://t.co/YjnU1GFuan 約4年前 replyretweetfavorite

ono_sg 精神科医wwwwww #annkw  約4年前 replyretweetfavorite

_rokujo どの回を読んでも魂揺さぶられる 今回はピンクのセリフが衝撃的だった 約4年前 replyretweetfavorite

mayumisss カテゴライズするな!っていう主張は共感した。 その人の一面がそのカテゴリーに含まれるだけなのに、カテゴライズされた途端、それがその人全てみたいに捉えられる。 そんなわけないやろ https://t.co/Bil9QUQTox 約4年前 replyretweetfavorite