最近、日本では大物歌手や元プロ野球選手の逮捕など、ドラッグの使用に関するニュースが増えているようですね。
日本でこのようなニュースを聞いても、「ドラッグなんて自分には関係ない」と思う人が多いのではないでしょうか。しかしパリでは、生活の中でドラッグを意識する機会が多くあります。
例えば街を歩いていたり、郊外行きの電車に乗ったり、コンサート会場に行くだけで、タバコとは違う、草を燃やしたような煙の匂いがしてくることがあります。これは、オランダやアメリカの一部の州では合法のソフトドラッグ、「大麻」の匂いです(もちろん、パリでは違法です)。
「こんなに普通に大麻を吸っている人がいるなんて」と最初は戸惑ったものの、いつしかそんな日常にも慣れていました。ところが先日、「さすがにこれは!」と驚いてしまったある発見があったのです。
今回は、そんなパリのドラッグ事情についてお伝えしていきたいと思います。
それは、いつも利用しているスーパーに行ったときのことでした。ふと出口の右側を見ると、小さな自動販売機があるのに気がつきました。
「あれ? こんなところに自動販売機なんてあったかな?」と、私はその謎の機械をじっくり覗きこんでみたのです。
それは、パリの街角によくあるコンドーム自動販売機とサイズは似ているけど、商品パッケージなどがまったく表に出ていません。
結局何だかわからなかった私は、家に帰り「あの機械はなに?」と旦那さんに聞いてみました。すると、びっくりするような答えが返ってきたのです。
「ああ、あれは注射針の自動販売機だよ」
パリ市内に30台? 注射針の自動販売機
調べてみるとこの自動販売機は、なんとドラッグを打つための注射針を提供するものだということがわかりました。
パリの主要駅前にある注射針自動販売機。空港行きのバス停の目の前、観光客も普通にいるエリアに設置してあります。