笑いのカイブツ

おもしろい、が、一番じゃない世界で。

いかれたピンク色の髪の男から、4年ぶりの電話。刑務所から出たばかり、坊主になったピンクと保護観察官を訪ねてドライブ旅行が始まります。
他を圧倒する量と質、そして「人間関係不得意」で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキさん。その孤独にして熱狂的な笑いへの道ゆきが、いま紐解かれます。

2014年、僕が26歳の時のこと。いくつものバイトを点々としながら、あるコンビの漫才を作る手伝いをしていた。東京から大阪に帰って来て1年が経っていた。

知らない番号からの着信があった。

「俺が誰かわかる?」出た瞬間、電話の向こうで、そう言った。

僕は交友関係が広い人間じゃないから、電話をかけてくる奴は、限られている。

「……もしかして、髪ピンクやった奴か?」

「せやで。ようわかったな。カラオケ行こうや」

「まあ、約束しとったし。ええよ」

久々に再会したピンクは、坊主頭だった。
僕らはカラオケに向かって歩き出した。

「なんで坊主なん?」

「最近まで刑務所おってん」

「マジで!? 何したん?」

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笑いのカイブツ

ツチヤ タカユキ
文藝春秋
2017-02-16

この連載について

初回を読む
笑いのカイブツ

ツチヤタカユキ

他を圧倒する量と質、そして「人間関係不得意」で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキさん、二七歳、童貞、無職。その孤独にして熱狂的な笑いへの道ゆきが、いま紐解かれます。人間であることをはみ出してしまった「カイブツ」はどこへ行くのでし...もっと読む

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コメント

DJkazma69 ツチヤさんのカラオケの選曲めっちゃ共鳴する。 4年以上前 replyretweetfavorite

ono_sg 確かに業界知らない人がよく言うイメージあるわ #annkw 4年以上前 replyretweetfavorite

hiroyamasuka ツチヤタカユキのカラオケレパートリーというのが、あまりにもリトルトゥースで………… 4年以上前 replyretweetfavorite