[参加者]
犬上:大手検索会社 40歳
猫本:制作プロダクション 40歳
兎沢:コンサルティング会社 35歳
結婚は、求人みたいに「この資格があればいい」というものがない
ジェーン・スー(以下スー) 皆さんは独身でいらっしゃるということで未婚、バツもなしということですが、お三方は結婚のタイミングとかあったんですか?
犬上 私はないですね。
兎沢 私もないですが、『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』を読んだら、もしかしてあれがそうだったのかなって思い当たるフシが。
スー 気づかなかった系ですね。猫本さんは?
猫本 私は35の時にすごい婚活をしてまして。その時は必死に婚活してたのに、これを読んだら、あっ、逃してたって。でもまあ40にもなると自分で結婚してない理由が分析できてきて、『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』を読むと、それが裏づけられる気分でしたね。
兎沢 私も32の時すごい婚活してました。結婚相談所に登録して毎月2、3人と会ってました。オファーをいただいたら毎回会うことをしばらく続けていたんですけど、やっぱり理想の相手はいなかった。
そのうち、婚活と他のことを天秤にかけた時に、「私、本当に結婚したいんだっけ……?」ってことに気づいちゃったんですよ。加えて、私は条件では結婚できないことに気づいたんです。世間一般で言われているいい人とかに全然惹かれないことがわかって。
生活になんの不自由もしていなかったし、毎日が楽しかったので。好きな人とは結婚したいけど、「結婚」というものをする為に、条件に当てはまる人を探すのはひとまずやめようと思いました。今は「好きな人が見つかったら結婚しよう」と決めて、早何年みたいな感じです。
スー そうなんですよね。求人みたいにはいかないんですよね。結婚は、この資格持ってれば大丈夫みたいな感じじゃないんですよね。
結婚か仕事かの二択を迫られたら、仕事を選ぶ
スー やっぱり32歳くらいでみんな結婚を考えるんですね。
兎沢 気づいたんですよ。一緒に遊んでた友達が減ってく、あっそろそろ結婚……って。
犬上 私は30代の時は広告代理店みたいな所にいて、恋愛とか結婚とか忘れてたのかなってくらい忙しくて、その時はずっと仕事と戦っていた感じです。
スー お三方とも、お仕事は大好きですか?
猫本 好きです。
スー 仕事が好きな女性が結婚したいと思わないと、マズイですよね。世の中が仕事か結婚かの二択を迫るような状況である限り、既婚者の増加も女性の社会進出も、政府の思っていることは両方実現しないんで。女性の社会進出と、出生率を同時に上げなきゃいけないわけでしょ、この国は。
でも実際には、結婚か仕事かの二択を迫られると仕事を選んじゃうんですよね。頑張った分、成果が出るから。
兎沢 まあでも、周りを見てると、仕事が出来る人ほどわりと結婚してるんですね。うまく両立してるんです。
この前、女子会をしててハマった表現があって。結婚できる人は自分の幸せの許容範囲を頭でコントロールできる人なんじゃないかって。仕事が楽しい時でも、仕事以外の生きがいを見出せるかどうか。例えばチョコレートを食べたい時に、どら焼きを出されて「おいしい」と思えるかどうかなんじゃないかと思うんです。私は、「いや、チョコレート食べたかったのに、どら焼き出されても」と言っちゃうタイプなので。
仕事ができる人は、自分の感情とか、キャリア志向とかと同じように、ここで結婚して子どもを産んどくと、将来私が幸せになると割り切って、条件に当てはまる人を見繕えるんだと思うんです。でも、私はそういう意味で仕事が出来なかったというか。
スー 仕事のようには結婚は出来ない、ということですよね。
兎沢 そのことに、婚活をしてみて気がついたというか。実際、紹介所に行って条件に合った人を差し出されても、私の好みってこうだっけ?って違和感と折り合いがつけられなかったんですよね。
自分の生活に影響を及ぼさない人がよくなってくる
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