間違いだらけの転職の常識 vol.3 間違いだらけの転職批判

「いまの若者はすぐ辞める」そんな批判を私たちは当たり前のように耳にします。 しかし、これらは事実のように見えてウソっぱちだ。三田さんはそう語りました。 間違いだらけの転職批判、ここではその真相に迫ります。

「いまの若者はすぐ辞める」のウソ

 ここまでの回を読んできて、転職に対するハードルが低くなった人も多いだろう。それでも、世の中の転職に対する抵抗感は強く、それに惑わされて一歩踏み出すのをためらう人もいるかもしれない。

 転職への代表的な批判として「いまの若者はすぐ辞める」というものがある。

「最近の若者はすぐに会社を辞める」

「それに比べて、昔の若者は簡単に会社を辞めなかった」

「バブル以前の日本社会では、終身雇用制がしっかり根づいていた」

「終身雇用制は崩壊し、いまの若者の雇用意識は大きく変化している」

 どれもよく耳にする意見だし、異を唱える読者は少ないだろう。実際、「大卒者の3割以上が入社3年以内に離職する」というデータが出ていることもあって、かなり信憑性の高い話のように思える。
 しかし、これらはいずれも正確な話ではない。むしろウソっぱちだといってもいいくらいの誤解に満ちている。

 まず、日本の転職率から見ていこう。

 近年急激に増えた印象のある転職率だが、じつは1990年から現在まで、ほぼ変わることなく男女正社員の約4パーセントというラインで推移している。つまり、1年のうち転職するのは100人中4人程度であり、しかもこの数字はこの20年近く変わっていないのだ。

 ちなみに、アメリカの転職率は27・8パーセント、EUの転職率は16・6パーセントとなっており、約4パーセントという日本の転職率がいかに低いものであるか理解できるだろう。転職率から考えるなら、「終身雇用制が崩壊して欧米型の雇用形態が浸透している」なんて話は大ウソなのである。

 じゃあ、最近よく語られる「大卒者の3割以上が入社3年以内に離職する」というデータはどうか?
 やはり、若者の転職率は急増しているし、働くことに対する意識も変わっているのではないか?

 たしかに、大卒者の3割が3年以内に離職するというデータは事実である。
 しかし、これは現在にかぎった話ではない。意外に聞こえるかもしれないが、日本は昔から大卒者の約3割が3年以内に離職する社会だったのだ。

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売れ残る時代」の転職術

三田紀房

『ドラゴン桜』『エンゼルバンク』の作者として有名な三田紀房さんのビジネスのエッセンスをお届けした人気連載「会社に左右されない仕事術」。 その第二弾として、今回からは「転職」をテーマとした「「売れ残る時代」の転職術」をcakesでお届け...もっと読む

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