バレンタインが近づくと、毎年思う。
“今年もどこかで誰かが、開けてはいけない禁断の扉をあけようとしてないかな?かつての私みたいに"と。
17歳のバレンタイン。ほぼ初めて口をきく男性に、リアルな十字架を描き、そこにドロドロのチョコレートを塗りたくった(生乾き)、ハート形の手作り直径50cmの巨大ケーキを渡したんだけど、それこそまさに私がメンヘラになるきっかけとなった大幕開け、ターニングメンヘラポイントだった。
「重い!」「軽い!」とは別軸の、「呪い!」が顔を出してしまう呪縛系恋愛タイプのメンヘラだった私。いまはごくたまに、人の幸せ願えるほどリア充だよー!になっているわけだが、今回はそこに至った脱メンヘラトレーニング!の話をする前に、バレンタイン記念として、我がメンヘラをグランドオープンさせた、その、本当は恐ろしいグリム童話みたいな話からするね。
2003年2月。
女子高生だった私は某予備校で、知らない浪人生に一目惚れをした。彼を見た瞬間「永遠に彼を愛すると誓います」と思い、その一週間後のバレンタインデーに、私はその名前も知らない運命の彼を教室の前で待ち伏せし、前述のミステリーケーキを渡した。
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