クラゲ博士の研究でわかったスゴい発見の教訓とは?
私たちは新たな発見や発明に触れるたび、「スゴい!」と驚きの声を上げます。福岡さんが思わず「スゴい!」と言いたくなる研究とは?
「クラゲの発光タンパク質を見つけた下村脩さんという方がいます。あるとき下村先生は、なぜ夜の海でクラゲが光るのか、ただ知りたくなった。その意味で、私とお友達になれそうな方(笑)。しかも、この研究は2008年にノーベル賞を受賞しました」
クラゲの体内に光る物質があると考えた下村先生は、解剖して物質を抽出しようとしました。しかし、光は体外に出た途端に消えてしまい、なかなか物質の正体がわからない。ところがある日、研究を終えた下村先生が、抽出した液を台所に流したところ…。
「台所がボワっと光ったんです。その理由は、発光タンパ ク質が光るためにはカルシウムの作用が不可欠だったから。台所には料理に含まれていたカルシウムがこびりついていたんですね。このとき、下村先生は2種類の発光タンパク質を発見します。カルシウムで光る『イクオリン』と、そのエネルギーを使って緑色に光る『GFP』です。これだけでもスゴい研究ですが、まだ続きがあります」
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