サイエンス作家竹内薫インタビュー「学者は“爆発”だ!」【前編】

ケトルVol.10は、「学者」特集!
「わかったふり」をやめよう、「わからない」から発見があると語るサイエンス作家の竹内薫さん。学者が秘めている豊かな想像力について尋ねたインタビュー前編です。

学者は“爆発”だ!

「知識よりも、イマジネーションが大事である」学者の資質について語った、アインシュタインの言葉です。本特集ではたくさんの学者の方々を見てきましたが、注目したいのは驚異的な知識量よりも、常識にとらわれない想像力! それこそが、学者の学者たる理由なのです。では、その豊かな想像力はどうやって養われたのか? 『99.9%は仮説』などの著者がある、サイエンス作家の竹内薫さんに聞いてみました!

『99・9%は仮説』光文社/735円
最近、頭が固くなってきた―。そうお悩みの方には
こちらの本を。科学の基本中の基本である「世の中の常識はほとんど仮説に過ぎない」という事実を知ることで、世界を“やわらか頭”で見られるようになります。難しい専門用語を極力使わずに、そのエッセンスを解説した同書は、サイエンス作家・竹内薫の真骨頂といえます

ピカソもアインシュタインも“やわらか頭”だった

同書のなかで竹内さんは、想像力が豊かな人を“やわらか頭”と表現しています。

「そもそも、子供はみんな“やわらか頭”なんです。誰しも、石ころを家に見立てたりしておままごとをした経験があるでしょう? 子供はちょっと遊ぶだけでも想像力を駆使している。でも大人になると常識ばかり身について、想像力が失われてしまう。学者という人々は、ただ知識を頭に詰め込んでいるのではなく、イマジネーションを飛躍させるために知識を鍛えている。そういう意味では、子供っぽい『遊び』の精神を持ったまま研究しているんですね」

なぜ学者は大人になっても“やわらか頭”なんですか?

「自分の意志をしっかり持って周りに流されないから、常識を疑うことができる。社会ではいろんなことが『当たり前』だとされています。でも大抵、その根拠は『先生が言ったから』『上司が言ったから』という程度のこと。誰かに与えられた意見なんです。すると、どんどん自分の頭で考えなくなる。本来、優れた発見や発明は、既存の常識を破壊したところに生まれる。世間から見たら常識外れに見えるくらいの人のほうが、学者には向いているんです」

つまり、いかに常識という額縁を外して世界を眺めることができるか。そうした視点を持つと、理系と文系の共通点も見えてきます。

「例えば、『アインシュタインの相対性理論がわからない』と言う人がいますが、それはピカソの抽象絵画のわからなさと同じなんです」

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学者が大好き!

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「最高に無駄の詰まった雑誌」がコンセプトの、雑誌『ケトル』。その毎号の特集をcakesで配信していきます。第10弾のテーマは「学者が大好き!」。「なんで?」子供のころ思ったあの気持ちをずっと持ち続ける人たちがいるーー。彼らの日常にとこ...もっと読む

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