Q.クッキングパパの隠された趣味とは?

まじめで堅物のクッキングパパ・荒岩は一介のサラリーマン。世間体もある。また、ふたりの子どもを育てるよき父親である。そんな彼からは想像できない、目覚めてしまった禁断の趣味がある。それは「コスプレ」だ。ご安心ください。コスプレといえども、怪しくはない。が、どうやらクセになるみたいなのだ。最初は頼まれてしょうがなくやっていたのが、いつしか魅惑されて…ハマっていく……そんな禁断の経緯を追ってみよう。

A.なんとコスプレ。まじめで堅物のクッキングパパ・荒岩が目覚めた禁断の世界!? そのコスプレバリエーションに注目!


クッキングパパ・荒岩は寡黙で無骨、真面目で不器用な男。そんな荒岩の実直な姿からは想像もできないけれど、実はコスプレが嫌いじゃないのだ。

もちろん荒岩は真面目なサラリーマンである。コスプレも当初は嫌々やっていた。

元凶は、荒岩の大学時代の同級生である酒本である。酒本は博多のTV局・福岡MHK放送のお昼の料理番組「クッキングふくおか」という番組を担当しているプロデューサー。あるとき出演予定のグルメ作家が事故で来られなくなってしまい、生番組である「クッキングふくおか」は大ピンチに見舞われる。そこで酒本は大学時代から抜群の料理の腕を誇り、学園祭や飲み会のたびに人をアッと言わせる料理を作っていた荒岩に、急遽出演を依頼するのだ。緊急のできごととはいえ、そんなんでいいのか、福岡MHK放送……!

人前に出ることが苦手な上に、当時は周囲に料理をすることを隠していた荒岩にとって料理番組に出演するなんてもってのほか。しかしそこは困っている人がいたら放っておけない荒岩のこと、気が向かないものの昼休みに会社を抜け出し「ホントにオレとわからないようにやってくれるんだろうな」と釘を刺して出演を引き受ける。酒本は「だいじょうぶ こっちにはプロのメイクがいるんだから」と豪語するが、その仕上がりをご確認いただきたい。

3巻 cook.27 P42 デーモン・岩、爆誕©うえやまとち/講談社

「博多のロックシンガー デーモン・岩」という設定で登場した荒岩はヘアスタイルとサングラスで顔の印象を変えたはいいものの、荒岩の最大の特徴であるところのアゴはさすがにどうしようもなかったようである。荒岩の大きな体格に合う衣装がなかったのか、ポップな柄の開襟シャツという衣装も「ロックシンガー」という設定にしてはやや苦しいものがある。 しかし、こんな微妙なクオリティの変装にも荒岩は心折られることはなかった。

意外にもすんなり受け入れ、料理開始。この状況、「巻き込まれ感」こそあるものの、この荒岩の適応力の高さは「素質アリ」である。おそらく当初出演する予定だったグルメ作家が使う予定だった材料でできる料理を短時間で考え、トマトをくり抜き、その中にコロッケのタネを詰めて揚げた「まんまるコロッケ」を作っている。いかつい風貌の「デーモン・岩」が作った可愛らしい「まんまるコロッケ」のおいしさやトマトをコロッケにするという絵的な新鮮さのおかげで、生放送は大成功。


3巻 cook.27 P44かわいいまんまるコロッケと初コスプレ・TV初登場でガッチガチの荒岩が醸し出す空気をお楽しみください©うえやまとち/講談社

しかもなんと、時を経て「デーモン・岩」は復活、何度もよみがえるのだ。

プロデューサー・酒本に請われて毎回しぶしぶTV出演をするはめになる荒岩だけれど、回を重ねるごとにだいぶ場慣れしてきて、なんならキッチリと「デーモン・岩」としての役作りをしている感すらある。最終的には、ちょっとワガママで台本にないアドリブをバンバンぶっ込んでくるアイドル風タレント「押間マリ」の無茶ぶりにも見事に対応して「貧血気味でご飯が苦手」な彼女に合わせて、鉄分たっぷりのマグロのマリネをアボカドなどと一緒にパンに挟んだ「鉄火パン」を作って大好評を得るなど、TV番組への抜群の対応力を見せている。

もうTV出演なんて慣れたもの、と言わんばかりにカメラに向かってサムズアップする荒岩の姿がまぶしい。


110巻 cook.1069 P193アイドルの無茶ぶりにもふりまわされずに冷静に対応©うえやまとち/講談社

110巻 cook.1069 P198荒岩、カメラに向かってサムズアップなんかしちゃって……!©うえやまとち/講談社

「デーモン・岩」に続き、まさかのコスプレ第2弾

荒岩のコスプレは「デーモン・岩」だけに終わらない。またも友人の酒本がプロデューサーを勤める「博多で3時にあいましょう」で、荒岩の行きつけの「花椎商店街」が特集され、頑固な老主人・徳さんが営むコロッケ屋「久保商店」がフィーチャーされることに。

26巻 cook.255 P61早くもイヤな予感  ©うえやまとち/講談社  

酒本は頑固者の徳さんが番組の思惑通りに喋ったりしてくれなさそうなこと、調理法を見せてくれないことを案じ、ちょっと変わった演出を加えることを荒岩に持ちかける。

「今度はパンクロックの格好はないから安心してくれ」という酒本が考えた新たな演出とは……。

26巻 cook.255 P65コロッケ……大王……©うえやまとち/講談社

よりにもよって「コロッケのことならなんでも知っているコロッケ大王」である。 しかし「デーモン岩」を経験した荒岩は、こういうものはもうやりきるしかないと言うことを悟ってか「コロッケ大王で—すっ」とヤケクソぎみ。


26巻 cook.255 P66ヤケクソを起こしつつもつつがなくコロッケ大王としての務めをまっとうする荒岩……©うえやまとち/講談社

「コロッケ大王」に扮した荒岩は徳さんのコロッケをすりつぶしてスープにしたり、グラタンやオムレツを作ったり、思いもよらない料理に仕上げる。自分のコロッケをすりつぶされた徳さんは「コロッケはそのまま食うとがいちばんたい」とへそを曲げてしまうが、昔気質の徳さんとコロッケ大王のコントラストが功を奏し、TV的には大成功。しかも翌日には徳さんの店「久保商店」は大盛況というめでたしめでたしの結果になった。「デーモン・岩」のみならず、「コロッケ大王」までも受け入れるとは……。

つつがなく番組を進行する荒岩、もといコロッケ大王には頼もしさすら漂っている。

嫌々やっていたはずのコスプレ、だが気づけばいつしか……

「デーモン・岩」や「コロッケ大王」は、友人の酒本に強引に依頼され、仕方なく嫌々やっていたはずの荒岩だが、回を重ねるごとにその様子は堂に入り、キッチリとキャラクターになりきっている。それにハマったのか、荒岩はプライベートでもコスプレ姿を見せるようになるのだ。

あるとき荒岩が部下の田中に大阪出張を命じたところ、田中は急に慌て出し、「やはりここは課長しかない 課長 たのみがあります」と、自分の留守中に荒岩に自分がする予定だった「あること」をやってほしいと依頼する。つきあいの長い部下の田中のたっての頼みとあって、荒岩は「はっはっはー いいぜ」と笑顔で快諾。そして約束当日の2月3日、荒岩のいでたちを見ていただきたい。

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クッキングパパの謎

澁谷玲子

開始から30週年を迎えた『週刊モーニング』の人気連載『クッキングパパ』。ガッチリとした体型としゃくれたアゴがトレードマークの無骨な九州男児・荒岩一味が織りなす、身近な素材を作って作った絶品料理の数々に、ヨダレを垂らしながら読んだ読者も...もっと読む

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