人生をチューニングするために
本連載のメインテーマは「転職」である。
きっとこんな時代に転職といわれても、二の足を踏む読者も多いだろう。およそ次のような意見である。
「転職は景気のいいときにやるもので、こんな不景気では転職どころじゃない」
「いまは求人も少ないし、ロクな転職先がないはずだ」
「景気が上向くまでは、いまの会社で我慢するのが得策だ」
たしかに、景気と求人数が連動するのは当然だし、この不景気にわざわざ危険な橋を渡る必要もないと考えるのは理解できるところだ。世間の流れは完全に安定志向で、たとえば大学生の間でも、公務員をはじめとする終身雇用を希望する声が圧倒的となっている。
だが、ここではあえて、この不況下で転職する3つの理由を考えてみたい。
1.全体が右を向いたときは左に進め
これは、成功する人の第一条件である。
多数の意見に従って行動しているかぎり、成功はない。人と違ったことをするから成功できるのであって、周りに流されていたら「その他大勢」で終わるだけだ。
つまり、いまのように誰もが安定志向に走っているときは、転職によって「その他大勢」から抜け出すチャンスでもあるのだ。転職市場に流れる人の数が少なければ、それだけでも優位な立場に立ちやすくなる。しかも、この不景気に求人を出している企業はそれなりに元気で、本気で人材を求めている。責任あるポストに就ける可能性も高くなるだろう。
もちろん、大勢に背を向けて反対側に進むのは怖い。リスクもあるし、転職となれば生活や人生もかかってくる。
しかし、そこで勇気を持って一歩踏み出せるかどうかが、その人の一生を決するのだ。
成功者の条件は頭のよさでも運の強さでもなく、「勇気」の有無なのである。
2.会社に残ることが本当に「安全」なのか
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