〈国柄の壁〉
国柄の違いで、マネージメントに苦労する
よく、「この国の人たちには、こんな傾向がある」といったことがテレビや雑誌などで、紹介されたりします。ステレオタイプになる危険は潜んでいるものの、これがあながち無視できないものだと感じることがあります。
たとえば欧州なら、ドイツはやはり堅いイメージで、ファイナンスに強くて、何でもきっちりやるタイプという人が周りに多く、まさにこれは当たっているなと感じています。
そして同じ欧州でも、イタリアやスペインは、とにかく明るさはあるものの、感情的で、営業や独特のクリエイティブには強いのですが、管理面や約束事に関しては、日本人からすると、かなりいい加減に感じられる人たちもたくさんいます。
一方、フランスには、独特で、主張が強く、フランス中心、欧州中心に考える傾向がある人が多いという側面があります。
こうした各国の人たちの個性は、当然のことながら、マネージメントをする際の苦労につながるケースも少なくありません。
私はサンリオで欧州担当も長く務めていましたが、特にグローバルの大きな戦略をつくるときに、ひとつ困ることがありました。
それは、どの国の担当者を、そのリーダーにすえるかによって、ビジネスの志向が大きく変わってしまいやすいということです。
当たり前のことではありますが、フランス人のマネージャーは、フランス市場を第一に考えて、フランスのライセンシーとビジネスをしたがる傾向があります。そこから、ドイツ、イタリア、イギリスなどに展開したいと考えるのです。
一方、イギリス人の担当者は、イギリスを中心として、イギリスのライセンシーとイギリスのネットワークから、フランス、ドイツ、イタリア、スペインへと展開したいと考えがちです。
そしてイタリアのチームは、イタリアをベースにイタリアのライセンシーで、イタリアからフランス、ドイツ、イギリスに展開したいと考えることが多いのです。
やはり国ごとのコンペティティブネス(競争心)やチームのつくり方、優先順位にものすごく色彩が出てしまうので、そうした癖を理解したうえで、欧州全体を視野に入れた戦略が動くように配慮しています。
職場を不穏にしかねないジョークは厳しく指導
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