マリオカートで矢印のベルトコンベアみたいなのを踏んで、スピードバ——ン!って加速するところが私は好きなんだけど、メンヘラの多くは生き急いでる。
私はいつも自分の進む方向にその「スピードバーン」を並べまくって、常に「ビューンビューンバーン、ワー!」となっていた。あれはスターのように無傷で走り回れるアイテムではなく、生身のまま加速する装置であるがゆえに、急カーブを曲がり損ねたり、障害物を避けられなかったりするから、結局事故ばかりだった。
私がメンヘラまっ盛りの頃、三重県の普通道を運転中に40kmの速度オーバーで速攻免停になった。その時は私以外の大量の車もいっせいにネズミ捕りにあっており、スピード出し過ぎの車が「はいこちらですー」と次々に警察だらけの広場に誘導される光景をみて「ああ、車だけではなく人間も、速度出し過ぎな人を取り締まったりしたらいいのに……」「私は崖っぷちを爆速でスピード違反中、逮捕寸前もいいとこだな」と人生を大いに暴走していた私は思った。
だけど社会人になった私は「スピードバーン」は、仕事になると使いようだと気づいたのだ。ようするに仕事と言うのは、時速100kmを出しても怒られないどころかほめられる、高速道路みたいなまっすぐなアウトバーンエリアがあるのである。さらに言えば、できる経営者や売れてるビジネスマンは、スピード狂が多いのだ、事実!たぶん!