オチビサン歳時記

炭 〜木を焼く炭。なぜ燃えずに作れるの?〜

オチビサンが火鉢にくべている炭。
私たちの日常生活ではあまりなじみのなくなってしまった燃料ですが、
その火はおだやかで、
見つめていると、心までとけていくようです。
オチビサン、きょうもそんな炭火に話しかけていますよ。


炭は、植物を原料に作ります。ナラやクヌギ、カシやブナ、タケなどを焼いて作るのですが、なぜ焼いているあいだに燃えてなくなってしまわないのかと、不思議に思う方もいるかもしれません。

木は、火をつけると、やがて燃え尽きて灰になります。けれど炭作りでは、酸素が入っていかないような状態で木を蒸し焼きにします。木にふくまれている酸素と水素がむすびついて水になり、あとに残るのは炭素。これが木炭です。火をつければ、空気中の酸素とむすびつき、煙も出すことなく燃えるというわけです。

日本では、電気やガスが普及するまで、暖房や炊事の燃料に、炭は大活躍していました。平安時代の『枕草子』にはこんな一節があります。

「冬はつとめて(中略)いと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし」
(冬は早朝がいい。とても寒いなか、急いで炭をおこして廊下を渡っていくのは、冬に似つかわしい)

今も火鉢を使うオチビサンには、清少納言の気持ちがよくわかることでしょう。やはり「炭」で連想するのは冬。江戸時代中期の俳人・与謝蕪村はこんな句をのこしています。

炭うりに鏡見せたる女かな

町には、冬になると炭売りが現れました。自分で焼いた炭を売りにきたのか、その顔は真っ黒。鏡を手に大笑いしているようすが目に浮かびます。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

コルク

この連載について

初回を読む
オチビサン歳時記

金田 妙 /安野モヨコ

漫画家・安野モヨコの描く1ページのカラー漫画「オチビサン」。 春はお花見。夏は海水浴。 秋はもみじ狩り。冬はみんなで"おしくらまんじゅう"。 オチビサンは毎日遊びに大忙し! 『オチビサン歳時記』では『オチビサン』に出てくる季節の言葉...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Kurobuchi 海外の人目線で日本の残念なところ。ジブリ美術館や藤子F不二雄ミュージアムは日本人のファンの僕でも面倒くさい。 約4年前 replyretweetfavorite