私がメンヘラ全盛期だった頃、大学の寮で私の部屋に空き巣が入った。
部屋は、物も服も散乱し、足の踏み場もない。各タンスはすべて開き、至る所まで徹底的に荒れていた。その部屋を見た警察官が、カルテのようなものに“大変荒らされている”と書き込み、犯人の異様な荒らしぶりを言及し、それを目の前で一緒に聞いていた、同じ階に住むSちゃんが、警察官に「え? この子の部屋、荒らされてないです。完全にいつもどおりです」と真実を供述してくれるまで、私は自身の凶行を自白できずにいた。
そう、盗まれたのはパソコンだけで、部屋はいつもどおりのグシャグシャだっただけ。しかし、その一連のやりとりの間も私は「ちょっとほめられている」と勘違いしてたくらい、部屋や心が乱れる人ほどアートに近づけると思い込んでおり、生活やメンタルのアンバランスを直す必要なんて感じたこともなかった。私は自らのメンヘラ気質を才能と思い、あろうことか誇っていた。
だけどもしもメンヘラが、自分の中の異常性に気づき、それを「直したい」と思うときが来たとしたら、その苦しみを伴う自覚症状こそメンヘラを追い出せる最大のターニングポイントだ。私の場合、夫に出会ったのが最大のそれだった。
はあもう連載4話目だけどやっとメンヘラお祓い大作戦の話をするね!
ただし今回は具体的なトレーニングというよりも、メンヘラ脳を脱するために大切なファーストステップについて。いわばメンヘラ脱出大作戦の導入部分です!
メンヘラ脱出決意のきっかけ
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