プリティ・ガールズ

暗号化された日付

ポールのSM動画をみたリディアは、動画のファイル名に付けられた数字の秘密に気がついた。深く事情を知っていくうちに、リディアはこの事件から抜け出せなくなっていき……?


プリティ・ガールズ 上(ハーパーBOOKS)

 グラディエイター・ドライブがファインダーのなかに現れた。リディアはファイル名を見つめた。クレアが言ったとおり、ファイル名は番号の羅列だった。「パターンがあるはずよ」

「わからなかったわ。痛っ」クレアは人差し指をリングに挟んだ。

「ここには工具が山ほどあるじゃない?」

 クレアはあちこち探してねじまわしを見つけると、床にあぐらをかいてキーリングを外しはじめた。

 リディアは再びファイル名を眺めた。数字の並びを解明するカギがあるはずだ。「さっきノーランは映画の話をしてたじゃない。あれがポールの動画のことなら、どうやって知ったわけ?」

 クレアが顔を上げた。「彼も関与してるから?」

「たしかにそういうタイプに見えるけど」リディアは言ったが、ただの当て推量だ。「強盗ごときでなぜ来たんだろう?」

「それが大きな疑問なのよ。だれも彼にいてほしいとは思っていなかった。メイヒューが我慢ならないと思ってたのはまちがいないわ。いったいノーランはなにを探していたのかしら?」

「メイヒューが関わっているなら—」

「なぜわたしに圧力をかけるの?」クレアはいらだっていた。「さっぱりわからないわ。 なぜポールがあんな動画を見ていたのか。ほかにだれが見ていたのか。メイヒューはなにを知っているのか。ノーランはなにを知っているのか。なにを知らないのか。堂々めぐりをしているみたい」

 リディアも同じような気分だった。まだ数時間しか関わっていないのに。

 クレアは続けた。「ノーランはわたしをいやらしい目で見たでしょ? わたしを見るあの目つき、品定めするような視線。気づいた?」

「ええ」

「気味が悪くない?」

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カリン スローター
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2015-12-02

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プリティ・ガールズ

カリン・スローター

成功した夫と美貌に恵まれ、なに不自由ない生活を送っていたクレア。だが、ある日暴漢に夫を殺されたことから、彼女の人生は暗転する。葬儀中、自宅に強盗に入られたクレアは、刑事に加えFBI捜査官が事情聴取に現れたことを不審に思い、夫のパソコン...もっと読む

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