第9回】フランスでの仕事はじめ

フランスで仕事をはじめてすぐ、交通事故にあってしまった仲田さん。休む間もなく、退院してすぐに会社の運営準備に取りかからなくてはなりませんでした。オフィスとワインの蔵を格安で借りることができたはいいものの、「肝心の売るものがない!」ということに気がついて途方に暮れます。次から次へと待ち受ける困難をどのようにして乗り越えていったのでしょうか?フランスはブルゴーニュのジュブレ・シャンベルタン村でワイナリーを経営する日本人醸造家・仲田晃司さんがお届けします。

私達の住んでいた村は、ブルゴーニュの主要都市ディジョンから
南に35kmの距離にあります。

シトー派の修道院のあるサン・ニコラ・レ・シトーという村で、
人口約400人程度のところです。

前回書いたとおり、私はフランスで仕事をはじめてすぐ、車にひかれる事故に遭ってしまいました。
しかし、そこはフランス……というか、なんと車にひかれてから救急車の到着まで45分、
そこから病院まで30分強……と、日本では考えられないほどの時間がかかって、
まわりの人に本当に心配をかけてしまいました。

フランスの場合は、合理主義とでも言うのでしょうか、
事故を起こした人がお見舞いに来るよりもはやく、保険会社の査定係の人が病室に来ました。
これには、フランスに少しは慣れてきていたとはいえ、驚かされました……。

包帯ぐるぐる巻きの私を見て、「ボンジュール ムシュー」。
そして「今回の事故で、壊れたり使いものにならなくなったものはありますか?」と事務的にたずねられ……。

その人にとっては仕事だとはいえ、正直にいって、言葉が何も出てきませんでした。

でも、そんなことは序の口、もっと驚いた事があります。
その後、事故を起こした人が病院にお見舞いに来たのですが、なんと、その人が帰られた後に、同じ病室の人にこういわれたのです。

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ワイン通信・ブルゴーニュの村から

仲田晃司

フランスはブルゴーニュのジュブレ・シャンベルタン村でワイナリーを経営する日本人醸造家・仲田晃司さんはじめての連載。仲田さんのワインのラベルには「天・地・人」という文字がきざまれています。2003年5月、在りし日のアンリ・ジャイエ翁より...もっと読む

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