「ゼゼヒヒ」は、ネットで「議論」して
ほしくて作ったわけじゃない
加藤 なるほど。あの質問事項は事務局側がたてるものなんですね。こういう「ゼゼヒヒ」みたいなサービスができるということは、「津田さんはネットで議論しようとしている」とみんなは思っていると思うんですよね。ネットに政策を集めて、それをみんなで議論して、それで政治を動かしていこうとしてるんじゃないかと。
津田 うーん、でも、僕も専門家の立場で言うとネット業界を15年見続けていて、これまでに議論サイトが盛り上がったためしはないんです。つまり、ネットは議論にむいてないんですよ!
加藤 むいてないんですか! 意外です!
津田 みんな「政策議論サイトがほしい」と言うんです。確かに最初はみんなうまくいく。でも、すぐ廃れるんですよ。やっぱり、「ウェブは議論に向いてない」っていうのが僕の結論です。
加藤 ネットって議論向きだと思っていましたよ。
津田 ただ、「はてなブックマーク」のコメント欄が一時期いい線いっていたみたいに、ひとつの問題に対してみんないろいろ言いたいって気持ちは持っている。でも、すごく荒れていたし、常にフローで流れて消えてっちゃうものですよね。あのときみんなが思っていたことや意見を表明したものを、ストックして残せたらいいんじゃないかと思ったんです。それはフローなツイッターの情報を保存するツイログじゃなくて、特定のテーマで切り分けて残しておければ、あとで大きな価値を生むんじゃないかと思っているんです。それが「ゼゼヒヒ」の発想だったんですよ。
加藤 「ゼゼヒヒ」を作ったとき、なにか想定していたものってあるんですか?
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