Q.荒岩はなぜ語学が堪能なのか?

クッキングパパ・荒岩が持つ意外な才能、それは語学が堪能なこと。英語はもちろん、イタリア語、フランス語までOKみたいなのだ。その理由は夢中になっている「料理」にあるようで、好きこそものの上手なれじゃないけど、付随して語学まで学習できちゃった感があるのだ。なるほど、好きなことをやり続ける「情熱」って、思いもしない才能開化へと導いて、果ては思想や哲学まで英語で発想できるのか。よし! 英語マスターするために料理するぞ! あれ、違うか?

A.英語はニューヨークでも通じ、フランス語はヒアリングも可能。すべては料理への探究心のなせる技!


クッキングパパ・荒岩は、実は語学が堪能な男。

プロ並みの料理の腕、優秀なサラリーマンとしての能力、そのうえ語学力をも持っているとは、まったく神は二物も三物も与えすぎである。

荒岩の語学力は、まず1988年にヨーロッパ出張に行った際に披露された。切符を買ったりなどの観光に必要な程度の英語は難なく話せ、また、イタリアで航空券を買うときにも早口のイタリア語を断片的に聞き取りストライキが起きていることを察している。英語とイタリア語では似ている単語も多いため、英語ができていればヒアリングもできないこともないのかな……とはいえ、なかなかの耳のよさだ。

14巻 cook.136 P91 地元のイタリア人にこんな調子でまくしたてられてもOK©うえやまとち/講談社

ふたつめの語学エピソードは、ヨーロッパ出張中にパリに滞在したときのこと。

取引先のミシェル・ボラン氏の自宅のディナーに招かれたときに、ディナーのメニューを説明するニコル夫人のフランス語を完全に理解している。荒岩はここでもいつもの調子で夫人の料理を手伝っているが、その際の簡単な会話などは完璧にできているように見える。


14巻 cook.136 P63フランス語のリスニングも完璧©うえやまとち/講談社

そして最後の極めつけの英語力が見れるのは10年後の1999年、ニューヨーク出張時。

上司である東山常務が荒岩の語学力を信頼したのか、通訳を一切つけずにニューヨークに出かけているが、荒岩はまったく不自由なくニューヨークの街で活動できているし、ハーレムのレストランで流暢そうな英語で店主と「キッチンを貸してもらえませんか?(Would you lend the kitchen?)」という、英語が話せるローカルな人でもなかなか言えないだろうという、ちょっと勇気のいる交渉をしている。


62巻 cook.90 P90 ニューヨークでも物怖じせずにキッチンを借りる荒岩©うえやまとち/講談社

料理に夢中になっていたら、なぜか語学が身についた! 荒岩の謎の学習方法とは

荒岩はこの語学力をどうやって身につけたのだろうか。

若い頃から仕事に家庭に多忙な荒岩に英会話教室に通う時間はなさそう。となると、大学時代に語学を学んだのだろうか?

荒岩は博多大学の史学科出身。

在学中に英語やフランス語などを履修していた可能性はある。しかも博多大学は多くの留学生を受け入れている国際的な大学。荒岩は在学中に香港からの留学生のリーさんに中華料理を習っていたけれど、もしかして他の国からの留学生にも「あなたの国の料理を教えて!」と頼んで、日本語に英語などの通じやすい言葉をまぜてコミュニケーションをとっていたという可能性もある。

ふたつめの語学エピソードで、フランスでニコル夫人のフランス語を聞き取った荒岩に部下の田中が「今のフランス語わかったんですかっ!?」と言ったときの荒岩の「うっうむっ食い物のことならな」(画像2枚目)との発言に注目したい。

一見謙遜だけども、これはまごうことなき荒岩の本心じゃなかろうか。

荒岩はフランス滞在中、有名レストランに「おおっこの店は」と心躍らせたり、フランスの高級食料品店「FAUCHON(フォーション)」のウインドウを見て「ここが有名なフォーションかすごいなっ」と取引先の人々の存在を忘れるほど、目が釘付けになったりと仕事本編と同じくらいか、それを上回るくらいの熱心さで食文化への熱心さを隠さない。

ボラン氏に自宅に招かれたときも「願ってもないことだ ほんとうのフランスの家庭料理が味わえる」と、相当な喜びよう。なんなら、この出張中一番のテンションの上がり方を見せている。

荒岩の海外料理への興味は深く、しかも「超有名店に行ってみたい!」「本場の家庭料理を味わいたい!」という食通ならば誰もが持っているようなちょっとミーハーな部分もあるのだ。


14巻 cook.134 P58取引先をほっといて高級食料品店「フォーション」に夢中の荒岩©うえやまとち/講談社


14巻 cook.134 P59フランスの家庭料理に心躍る荒岩©うえやまとち/講談社

おそらく荒岩は、食の本場パリに行ける! と知った瞬間から「チェックすべきレストラン」「地元で人気のお店」「行きたい食料品店」「ポピュラーな家庭料理」「フランス語の料理用語」「レストランでのオーダーのしかた」など、持ち前のリサーチ力でウキウキと調べまくったに違いない。だからこそ、料理を説明するニコル夫人が話すフランス語も、食材名と調理方法の単語の組み合わせで理解できたのだろう。

また荒岩はインターネットが普及する遥か以前の時代から、フランス菓子「オペラ」のような海外の難関料理に挑んできた男。

若い時分から日本語の料理本のみならず、英語やフランス語で書かれた料理に関する文献を読破していても不思議ではない。まさに「聞き流すだけでなぜか英語が身につく教材」ならぬ「料理に夢中になるだけで語学が身につく荒岩流学習法」である。

韓国のアイドルを好きなあまり韓国語をマスターしたというアイドルファンや、日本のアニメが好きなあまり日本語が話せるようになってしまった海外のアニメファンなどと同じように、荒岩も海外料理を知りたいあまり英語・フランス語をマスターしてしまったのではないだろうか。荒岩の料理への情熱をもってすれば、そのくらい朝飯前なのかもしれない。荒岩は料理のことならば、法に触れること以外はなんだってやる男なのだ。

自然と出ちゃう? 荒岩独特な英語使いに注目!

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クッキングパパの謎

澁谷玲子

開始から30週年を迎えた『週刊モーニング』の人気連載『クッキングパパ』。ガッチリとした体型としゃくれたアゴがトレードマークの無骨な九州男児・荒岩一味が織りなす、身近な素材を作って作った絶品料理の数々に、ヨダレを垂らしながら読んだ読者も...もっと読む

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