実家に帰るのは盆と正月、5月の大型連休程度──。都心で働く多忙なビジネスパーソンにとって、遠く離れた地方に帰省する機会はそう多くない。きょうだいとも同居していない親が、介護を受けるほどではないものの、どんどんと年老いていく。しょっちゅう電話をする用事はないし、やたらと心配な気持ちを伝えるのは、かえって親の気持ちにも負担を掛ける。それでもやはり気掛かりだ。
携帯電話各社や警備会社を中心に、高齢者向けの「見守りサービス」を充実させている。携帯各社は、歩数をメールで家族に伝える歩数計、警備会社に至っては、緊急時に駆け付けるだけでなく、日常的な健康の電話相談や、定期的な電話や訪問による声掛け、果ては大掛かりな掃除や片付けといった、お年寄りだけでは困難な家事を補助するサービスを展開している会社もある。