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3つの現代演出から浮き彫りになる生と死の本質——『死の都』という文学[五]
20世紀最高傑作と再評価され、現在世界各国で上演されているオペラ『死の都』。その現代演出について、フィンランド版とベルリン版の違いを見ていきましょう。
新国立劇場で上演されたフィンランド版・第一幕の演出
ここまでリブレットを元にした物語の流れと含意を見てきたが、実際の現代演出はどのようになっているだろうか。新国立劇場で上演されたカスパー・ホルテンによるフィンランド版の演出にはかなりリブレットと異なる点がある。このフィンランド版は、事実日本初の『死の都』の上演と言える点からも、その演出の差違に留意を促したい。
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当然ながらオリジナルのオペラとしての歌とオーケストラの演奏は同じである。だが、フィンランド版では舞台の作りからして大きく異なっている。
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この連載について
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「極東ブログ」で知られるブロガーのfinalventさん。時事問題や、料理のレシピなどジャンルを問わない様々な記事を書かれているが、その中でもとりわけ人気が高いのが書評記事。本連載は、時が経つにつれ読まれる機会が減っている近代以降の名...もっと読む
著者プロフィール
ブロガー。2003年8月15日から「極東ブログ」を始める。1957年東京生まれ。20代にプログラマーを経験。30代半ばに沖縄に移住。少女暴行事件を挟んで8年暮らす。ネット名「finalvent」はそのころ見ていた仮面ライダーの必殺技から適当に拾ったもの。「極東ブログ」は右翼とかと誤解されることもあるが、「鉄人28号」的な昭和レトロの趣味から付けたもの。2013年2月21日、ダイヤモンド社よりエッセイ『考える生き方』を出版。他、『もっとも美しい数学 ゲーム理論』(文春文庫) の解説を書いている。
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