3つの現代演出から浮き彫りになる生と死の本質—『死の都』という文学[五]

20世紀最高傑作と再評価され、現在世界各国で上演されているオペラ『死の都』。その現代演出について、フィンランド版とベルリン版の違いを見ていきましょう。

新国立劇場で上演されたフィンランド版・第一幕の演出

 ここまでリブレットを元にした物語の流れと含意を見てきたが、実際の現代演出はどのようになっているだろうか。新国立劇場で上演されたカスパー・ホルテンによるフィンランド版の演出にはかなりリブレットと異なる点がある。このフィンランド版は、事実日本初の『死の都』の上演と言える点からも、その演出の差違に留意を促したい。

Korngold: Die tote Stadt [DVD] [Import]
Korngold: Die tote Stadt [DVD] [Import]

 当然ながらオリジナルのオペラとしての歌とオーケストラの演奏は同じである。だが、フィンランド版では舞台の作りからして大きく異なっている。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

初回を読む
新しい「古典」を読む

finalvent

「極東ブログ」で知られるブロガーのfinalventさん。時事問題や、料理のレシピなどジャンルを問わない様々な記事を書かれているが、その中でもとりわけ人気が高いのが書評記事。本連載は、時が経つにつれ読まれる機会が減っている近代以降の名...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード