いよいよ開校!

いよいよ開校式が目前に迫ってきた。しかし、最後の最後までバタバタとトラブルが続き、まったく気が抜けない。果たして開校までに問題は解決するのだろうか?

 残るはついに移民局からの認可だけとなった。やることもハッキリしているし、このタスクにはジョイが張りついているから時間の問題で終わるだろう。2週間〜1ヶ月許可が出そうだということだった。僕らはついにWEBページを公開して、生徒募集を始めた。

 開校式は6月6日にすることにした。今までお世話になった人たちを招待して、盛大に祝おう!こうして先生たちの仕事の半分はこの開校式の準備になり、残り半分はカリキュラムの完成度を高めることに注がれた。

カリキュラム
 カリキュラムには細かく修正を加え続けた。ここで早々にわかったのが、先生たちの「手加減癖」だった。どの先生も他の英語学校で何年も教えたことがあるベテランたちなのだが、それに故にすっかり手加減する癖がついてしまっているのだ。間違った発音でも普通に聞き取ってしまうのもそうだし、生徒が途中でつまずくと、生徒の言いたいことを先回りして埋めてしまったりなど、自然にやってしまうのだ。

 それだけではなかった。宿題を大量に出せと言っても、驚くほど少量しかだなさない。これは何度言ってもなかなか治らなかった。生徒がかわいそうになってしまうらしい。30分や1時間程度で終わる宿題が出たところで、短期間で英語が上達するはずがないではないか。中途半端なことをやっていたら、「なんだこの程度か?」と遊び癖をつけてしまうがオチだ。生徒たちがショックを受けるほど課題をたくさん出せと口を酸っぱくして言い続けた。この部分の解消だけでも、数週間かかった。生徒たちは少なからぬ金を払って英語の勉強をしにくるのだ。キチンと鍛える義務がある。そう何度も言い聞かせて、やっと少しずつ納得していった。

 また、先生たちは日本人がどこでつまずきがちなのかはよく知っていたが、なぜそうなるのかは全くわかっていなかった。カタカナ英語、ローマ字、翻訳編重の英語授業など、日本における英語教育について何度も話して聞かせ、それを解消する方法を考えていった。

 この実験対象になったのは中西夫妻だった。特に奥様には感謝の言葉しかない。新婚早々いきなりセブ島に引っ越して、毎日朝から晩まで英語のレッスンなのだ。しかも修正箇所の多いレッスンだから、毎日のように細かく変わっていく。奥さんの感想を聴きつつ、細かくレッスンを直していった。奥さんはグイグイ実力をつけていった。来た当初は片言が精一杯だったのが、1ヶ月過ぎる頃には簡単な日常会話をこなすようになり、半年以上過ぎた今ではかなり流暢にしゃべっている。おそらく最短で英語を身につけた部類に属するだろう。ここ半年で読み終わらせた英語の書籍もおびただしい数で、今では普通のネイティブの大人が読む本を課題図書にしている。

 一方中西くんの方には上級者を対象にしたレッスンの実験材料になってもらった。課題図書をどういったレベルにするか、上級者の宿題の量をどのくらいにするか、スピーキングレッスンの形式をどうするかなど、細かく決めて行った。中西くんがかつて2校の学校に通っているのは大きな手助けになった。ただ、中西くんの方は仕事も多く、レッスンに取れる時間は1日数時間なのが歯がゆかった。しかし、それでも目に見えて上達していった。放っておいても年内にペラペラと言っても恥ずかしくないレベルに達すると予想していたが、事実その通りになった。

開校準備
 開校式の準備も順調に進んでいった。以下はその様子。

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フィリピンで起業しました

松井博

2015年6月6日、フィリピンのセブ島にて英語学校を開校しました。起業への思いや、設立までの「フィリピンあるある」などなど、思い立ってから9ヶ月間の足取りを綴っていきます。

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コメント

hori_kawa 最後に自分自身に言い聞かせている言葉、どれも大切!! 4年弱前 replyretweetfavorite

psy10de 素晴らしい! 4年弱前 replyretweetfavorite

Matsuhiro 最終回です。最後の最後まで工事関係には悩まされたものの、開校にたどり着きました。とても充実した1年間でした! 4年弱前 replyretweetfavorite