みんな、一番になりたいかー!
おー!!!
人間だれもが、意識せずとも一番になりたいと思っているものです。
ほとんどの人は成長するにつれて、いろんな挫折を味わい、
「この広い世界で自分が一番になるなんて無理じゃーん☆」
と、現実の自分と理想の自分に折り合いをつけていきます。
しかしながら、この「一番になりたい自分」というものは、時折何かの拍子にひょっこり顔を出してきて、いつも困った事態を引き起こしてくれます。
例えば、自分より優れた人に嫉妬して攻撃的になったり、反対に自分がいかに相手より優れているかをひけらかしたり……、本当ならやらなくてもいいことをやってしまうのです。
この「一番になりたい自分」に自覚がないまま過ごしていくと、そのうちに
自分はなんでもできる!
という根拠のない「万能感」に支配されてしまいます。
こうなってしまうと大変です。
なんせ自分が一番優秀で正しいと思っているのですから、人の話なんて聞きません。
そして、自分より能力がある人間を認めず、いつも「俺の正しさ」を叫ぶことに躍起になっています。これが、社会人俺が世界の中心病の正体です。
こういう人はチームプレイができません。また、自分とは違う意見を認めないのでリーダーになることもできないのです。
俺が世界の中心病にかかった人は、心の目の病気です。
心のレンズが高すぎるプライドで濁ってしまって、相手の姿を正しく見ることができないのです。
そして、目の前に自分より優れた人がいたとしても、その人の能力を正しく測ることができないばかりか、その目に映っているのは「相手に比べて能力の劣っている自分自身」の姿なのです。
そんなみっともない自分の姿を見てしまうから、わけもわからずイライラします。
そして最後には、相手を拒絶してしまうのです。
大切なのは、濁ってしまった心のレンズをぬぐって、相手の姿をちゃんと見ること。
そして、今の自分を認めることです。
世界は広く、自分より優れている人なんていくらでもいます。その人たちにいちいち突っかかっていたら身が持ちません。
自分自身が「なんでもできる」スーパーマンになる必要はないのです。
自分に出来ないことがあるのならば、それができる人の能力を認め、尊重する。
それが、自分の凝り固まった小さな世界から抜け出して世界を広げる、第一歩なのではないでしょうか。
屑谷先輩「ばかばかしい!」
そう言って、屑谷先輩は立ち上がりました。
陽太「え? 先輩、食べないんですか?」
屑谷先輩「なんかそんな気分じゃなくなっちゃったよ」
屑谷先輩はずんずん先生をにらむと、定食屋から出ていきました。
陽太「先輩……」
ずんずん先生「バリアが強い男ね」
ずんずん先生は舌打ちをします。
陽太「バリア?」
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