こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
今回は目出度く元旦の更新です。この連載も毎週の更新で無事、丸一年が経ちました。読んでくださる皆様のおかげです、ありがとうございます!
それでは今回は、年始にふさわしいお話をいたしましょう。
結論は、「恋も仕事も、すべては必然である」。いつもよりロングバージョンでお届けします。読み終わるまで平均約10分です。
ナースとの口論、ケーキを買う私
先日、年の瀬の手術室でこんなことがありました。
私は感染管理という仕事もしており、「どうやったら手術による感染が減るか」=「どうやったら手術で出来たキズが膿まずにすむか」を研究しています。その感染管理について、ある手術室のナース(オペ看と呼びます)とちょっとした口論に。手術中にガウンを脱いでから患者さんの肛門の洗浄をし、もう一度手を洗うか、ガウンを上に一枚着て洗浄をし、身体中に浴びた便とともにガウンを脱いで手術に戻るかについての話でした。
恥ずかしいことに、結果的には私の思い違いであったことが判明し、オペ看さんに謝りました。本当に悪かったなあ、と思いを巡らせながら病院内の売店で昼ご飯を買っていると、「クリスマスセール」の表示とともにケーキが並んでいました。そう、その日は12/25だったのですね。
そうかそうか。じゃあ謝罪ついでにケーキを買っていこう。そういえば昨日深夜の家路でもコージーコーナーで「残り三つです、お急ぎください」って言ってたな。そんな風に考えた私は、チョコと抹茶と(あとは忘れました)、売店にあった小さいケーキを三つ買って行ったんです。そして、口論中の彼女のキンキン声を思い出し「きっとストレスが溜まっているんだろ」と、[ストレス社会で闘うあなたに GABA]というチョコレートを追加でカゴに入れました。半分シャレでね。
そしてこっそりオペ看控え室の冷蔵庫に、「ゴメン」と書いた一筆箋とともに売店の袋を置いておきました。
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