マーケティングで弱みを強みに変える
堀 先日、中堅企業の経営者に向けて講演したら、ある国民的な食べ物の調味料シェア80%の会社や、歯科医院で使われている口内の水を吸い込むバキュームの100%を供給している会社などが、たくさん参加してくれていて、うれしかったな。他の追随を許さないものをつくっている会社がたくさんあることを実感しました。これからのベンチャーにも、そういう存在を目指してほしいんですよね。
藤野 日本には、隠れた優良企業がたくさんありますよね。
堀 その上で、世界的に展開するなら、これからは技術とマーケティングを掛け算しないと成功しない。日本の家電メーカーは、技術に頼りすぎですね。このままじゃ、5年保つかどうかわからない。
藤野 厳しいご意見です。
堀 日本の家電メーカーは、特許数でいえば世界一かもしれないけれど、サムスンなんてもう特許をとる気もないですからね。何千人も社員抱えて、成功するかわからない研究開発に力を入れるくらいなら、他社の特許技術を平気で使っちゃう。それで裁判になっても、売上の一部を払えばいいでしょう、くらいに思っている。それよりも、安くて性能のいいものを、世界中でいち早く売る戦略を優先しているから。
これが一番いい方法だとは言いませんが、日本の家電メーカーはもっとマーケティングに力を入れないとダメですよ。自動車は、まだマーケティングが優れているから、世界でも生き残れるかもしれない。肝心なのは、ノウハウであり、ブランドなんですよね。
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